研究課題/領域番号 |
23390482
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40295861)
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研究分担者 |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 老化 / 肥満 / 歯周疾患 |
研究概要 |
Apelinは36アミノ酸から成る生理活性ペプチドで、脂肪細胞から分泌されるアディポカインの一つで、視床下部に働き飲水量を抑制したり、内皮細胞に作用して血管新生を亢進したりするなどの生理活性が報告されている。Apelinは転写後成熟過程で-36、-17、-13、-12といった異なるペプチド長による存在様態をとり、代謝を受けにくいイソ型の[Pyr1]-apelin-13の存在も知られている。Apelin受容体であるAPJを欠損したマウスでは体重が減少することから、Apelinはエネルギー代謝にも関与していると考えられている。病理学的にはアテローム性動脈硬化症との関連も指摘されている。しかし免疫機能における役割についてはこれまでほとんど報告がないことから、Apelinの免疫機能を検討することを目的に、マウスマクロファージ株(RAW 264およびJ774.1)を用いて、大腸菌由来リポ多糖(LPS)が誘導するマクロファージの炎症応答に対するApelinの効果について分子細胞学的に解析した。 J774.1細胞とRAW264.7細胞はともにAPJの遺伝子とタンパクを発現していた。APJをより強く発現していたJ774.1細胞を用い, [Pyr1]-apelin-13で16時間前刺激すると,LPS刺激が誘導するIL-1β,TNF-αの遺伝子発現が抑制された。様々なリガンドを用いて、他のToll様受容体(TLR)刺激についても検討したが、TLR3のリガンドである低分子poly(I:C)以外の刺激に対しては有意な効果が認められなかった。Apelinの細胞内シグナル動態に与える影響を検討したところ、LPS刺激によるIKKの分解は[Pyr1]-apelin-13の前刺激により抑制された。これらのことから,apelinはLPS刺激が誘導するマクロファージの炎症反応を抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規アディポカインapelinによる抗炎症作用を発見し、in vitroでの研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に雇用した臨時の研究補助員を、研究の推進のため引き続き雇用する。
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