研究課題
成熟した脂肪組織が分泌する様々な生理活性物質はアディポカインと総称され,肥満自体が軽度炎症状態であるとするmetaflammationを説明する主要な因子とされている。一方,アディポカインの中にはアディポネクチンのように細菌由来のリポ多糖(LPS)が誘導する炎症反応を抑制する効果を持つものも報告されており,アディポカインの免疫機能に関する働きは不明な点が多い。今回我々は,新規アディポカインであるapelinが免疫機能において果たす役割を解明するために,LPSにより誘導されるマクロファージの炎症反応にapelinが与える影響を検討した。マウスマクロファージ様細胞株J774.1細胞,およびRAW264.7細胞を用い,apelin受容体であるAPJの発現をwestern blotにて観察した。次にJ774.1細胞を[Pyr1]-apelin-13 (0.1-10 μM)で16時間前培養した後,大腸菌由来LPS 100 ng/ml刺激によるIL-1βとTNF-αの遺伝子発現をリアルタイムRT-PCRにて測定した。またLPS刺激によるIκB kinase (IKK)の分解に対する[Pyr1]-apelin-13の影響についてwestern blotで観察した。J774.1細胞とRAW264.7細胞はともにAPJを発現していた。APJをより強く発現していたJ774.1細胞を用い,代謝を受けにくいイソ型の[Pyr1]-apelin-13で前刺激すると,LPS刺激が誘導するIL-1β,TNF-αの遺伝子発現が抑制された。また,LPS刺激によるIKKの分解も[Pyr1]-apelin-13の前刺激により抑制された。これらのことから,apelinはLPS刺激が誘導するマクロファージの炎症反応を抑制する可能性が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
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