研究課題/領域番号 |
23390483
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
嶋崎 義浩 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (10291519)
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研究分担者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20192403)
熊谷 秋三 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80145193)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯周病 / 肥満 / 運動 / 運動疫学研究 |
研究概要 |
肥満と歯周病との関連は数多く報告されているが、両者の関連のメカニズムは未だ明らかではない。肥満は運動と密接に関わっているが、近年の横断研究により運動と歯周病との関連が示されており、肥満や運動が歯周病に及ぼす影響やそれらの相互関係を調査することは、肥満と歯周病の因果関係を解明する糸口になると考えられる。本研究は、肥満・身体活動と歯周病との疫学的な関連を分析し、さらに血清中の歯周病細菌抗体価や炎症性因子を解析することで、肥満と歯周病の因果関係に及ぼす身体活動の影響およびそのメカニズムを解明することを目的とする運動疫学研究である。 平成24年度は、平成21年度に久山町で実施された歯科・医科・身体活動の疫学調査データを電子化および各種データの連結を行ったデータシートの分析により、加速度センサーにより測定された身体活動量と歯周病には有意な関連が認められ、身体活動量の多い者では歯周病リスクが低い傾向を示していたが、身体活動を歩行活動と生活活動に分けて歯周病との関係を分析を行ったところ、歯周病との関係は歩行活動よりもむしろ生活活動の方が強い結果が得られた。そのため、今後の研究では、生活活動に関連の深い生活習慣の内容について質問紙調査等で明らかにしていくことが必要であると考えられた。また、平成24年度は、久山町での大規模調査により身体活動、歯周状態を含めた縦断的な分析が可能となる調査を実施することができた。 また、50歳代男性集団の分析により、筋肉量の多い者ことを示唆する正常範囲内の血清クレアチニン値の高い者で歯周病リスクが低いことを示す結果が得られ、運動と歯周病との関連を間接的に示唆するものと考えられ、同結果を学術雑誌にて発表した。今後の研究としては、久山町の調査で得られた血清試料中の歯周病関連細菌に対する抗体価と歯周病との関連についても明らかにしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、既存の疫学データの解析により、歯周病と血清クレアチニン値との関連性についての解析結果をまとめて、学術雑誌に公表することができた。また、平成23年度に電子化された疫学調査データの分析により、身体活動と歯周病との間に関連があることを示す結果は得られたが、身体活動のうち歯周病との関連が強いと思われる生活活動の具体的な内容を知ることができないため、あらためて生活活動に関連する生活習慣を明らかにするための調査が必要であることが明らかになった。一方、同年度は、久山町での大規模調査により、肥満と身体活動、歯周病の関連を縦断的に分析を行うための調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に分析を行った疫学データを用いて、分析に使用する項目の検討や他の分析方法を試みるなど、肥満と身体活動、歯周病との関連を明確に示すことができる方法を検討していく予定である。また、平成24年度の久山町大規模住民健診の結果を順次電子化していく予定である。健診結果の電子化では、データの不備や電子化前の健診票の整備等でかなりの時間と労力が必要になるものと思われるが、縦断的なコホート研究を実施できるようにできるだけ速やかに電子化作業をすすめていきたいと考えている。一方、身体活動のうちの生活活動に影響する日常生活での活動内容を明らかにできるような調査を行っていきたいと考えている。
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