研究課題
肥満と歯周病との関連は数多く報告されているが、両者の関連のメカニズムは未だ明らかではない。肥満は運動と密接に関わっているが、近年の横断研究により運動と歯周病との関連が示されており、肥満や運動が歯周病に及ぼす影響やそれらの相互関係を調査することは、肥満と歯周病の因果関係を解明する糸口になると考えられる。本研究は、肥満・身体活動と歯周病との疫学的な関連を分析し、さらに血清中の歯周病細菌抗体価や炎症性因子を解析することで、肥満と歯周病の因果関係に及ぼす身体活動の影響およびそのメカニズムを解明することを目的とする運動疫学研究である。平成26年度は、前年度から開始した愛知県飛島村における人間ドック受診者に対する疫学調査を継続実施することにより、人間ドック受診対象者全年齢層への調査を遂行できた。その結果、肥満や身体活動と歯周病との関連については、久山町と飛島村の解析結果の傾向はやや異なっており、飛島村においては身体活動と歯周病との間に有意な関連を認めなかった。しかし、日常生活において活動していない身体不活動に関する質問紙調査結果や活動量計データについてさらに検討することで、身体活動と口腔の健康との関連をさらに検討していく必要があると考えられる。平成26年度におけるその他の研究成果として、福岡県久山町の疫学調査データおよび保存血清中の炎症マーカーおよび歯周病原細菌抗体価の測定により、歯周病との関連が深いPorphyromonas gingivalisに対する血清抗体価や全身の炎症マーカーであるhsCRPは、特に女性における歯周炎の進行に強く影響していることが明らかになった。また、成人における加齢による口腔状態の変化の一つと考えられている唾液分泌量の減少に対して口腔清掃状態が影響していることを本研究に付随する成果として示すことができた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biomedical Research International
巻: 2015 ページ: 897971
10.1155/2015/897971
巻: 2015 ページ: 381821
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