研究課題/領域番号 |
23390488
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
眞嶋 朋子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (50241112)
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研究分担者 |
増島 麻里子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (40323414)
長坂 育代 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (50346160)
岡本 明美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (20456007)
渡邉 美和 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (90554600)
楠 潤子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (30554597)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 専門看護師 / 大学院教育 / チーム医療 / 連携教育 / キャリア開発 |
研究概要 |
平成24年度は前年度に引き続き文献検討を行い、チーム医療を推進する臨床判断に焦点を当てた大学院修了生に対するワークショップの内容と評価を検討し、さらにこれに基づいたワークショップを実施し評価を行った。 大学院修了生を対象とした臨床判断に焦点を当てた教育プログラムの実施および評価専門看護師教育プログラムを実施した。これらのワークショップは、年2回で構成する。ワークショップの目的は、1.コンサルテーション実践力向上、2.組織内における役割、葛藤解決のための能力向上、3.大学院修了者同士の相互サポート、4.臨床判断能力の強化である。データ収集方法は、フォーカスグループインタビューと質問紙調査である。データ分析はワークショップのなかで、他職種(医師、薬剤師、その他医療関係職種)および看護師と協働して行う場合の臨床判断の種類と構造を抽出した。倫理的配慮として研究参加の自由意志の尊重、途中辞退の保障、個人情報保護などを研究参加前に明示し、承諾を得た。また、本研究は平成23年度に千葉大学院看護学研究科倫理審査委員会による承認を得た。結果として、ワークショップの参加は、1回目5名、2回目4名であり、5名の参加者からチーム医療を推進する臨床判断に関連する事例提供が行われ、2回目に2事例を検討した。臨床判断およびチーム医療におけるコンピテンシーをもとに事例を分析した結果、1事例目は、退院計画に対して主治医の判断に疑義が生じ看護チームと臨床判断を行い、他の診療科医師へのコンサルテーションにつなげ、患者の病状の改善につながったものであり、2事例目は予後告知が行えなかった事例に対する臨床判断に基づく医師・看護チームとの関わりを通じて終末期の患者を看取る家族の支援を行ったものである。参加者は組織のアセスメントの重要性の理解、および事例分析の方法の理解が深まったなどを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の平成23年度に提出した研究計画では、千葉大学大学院看護学研究科におけるがん看護専門看護師教育課程の大学院生および大学院修了生で、専門看護師資格認定試験の受験準備者、合格者、または将来受験する可能性のある者を対象とした、専門看護師教育プログラムの実施を行い、評価を行うことであった。平成23年度には文献検討に基づき、プログラムの構成要素、プログラムの評価の視点を抽出し、過去2年間にわたり、評価を行ってきた。当初計画ではプログラムを平成24年度から行う予定としていたが、文献検討、プログラム評価の視点が早期に明確となったため、平成23年度から教育プログラムを実施することができた。 また、事前事後の質問紙調査、フォーカスグループインタビューを通じて、のべ9名の参加者によるデータ収集が終了している。 平成25年度以降の課題としては評価方法の作成となる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は文献検討およびチーム医療を推進する臨床判断に焦点を当てた大学院修了生に対するワークショップを実施し継続して実施し、評価のための評価表を作成することを目標とする。 具体的な方法は、これまで検討した チーム医療を促進する臨床判断能力の特性、専門看護師の能力の視点をもとに構成概念を設定し、チーム医療を促進する臨床判断に焦点を当てた専門看護師教育プログラム参加者の調査結果(質的帰納的分析結果)と既存の文献をもとに、研究メンバーで評価項目を抽出し、信頼性と妥当性の検討を行う。
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