研究課題/領域番号 |
23390489
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
近藤 浩子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (40234950)
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研究分担者 |
坂田 直美 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (30235155)
林 世津子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (70459642)
高野 海哉 東京医療保健大学, 医療保健学部, 助教 (70620475)
小宮 浩美 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (10315856)
浦尾 悠子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (40583860)
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キーワード | 癒し / リラクセーション / 心拍変動 |
研究概要 |
「癒し技法」の実践は、ケアを受ける人のみならず、ケア提供者自身にも心身の調和をもたらすことが知られている。また「癒し技法」の継続的な実践は、ケア提供者自身の人とかかわる姿勢に影響を与え、心理的成長を促すといわれている。 本研究の目的は、「癒し技法」の継続的な実践によって、ケア提供者自身に生じる変化を心理的・生理的に測定し、心身の調和、ケアする人としての心理的成長という観点から明らかにすることである。またその波及効果として予測されるケアの質の変化について追及することである。 今年度は、癒し技法としてタッチを実施してもらい、タッチを受ける人とタッチを提供する人にどのような効果がみられるのかを明らかにした。タッチの方法は、相手の呼吸を感じながら上背部に柔らかく手をあてるもので、2人ペアで交互にタッチを行ってもらった。効果は、心拍、指先温度、POMS、質問紙によって測定し、心拍は変動解析により高周波成分(HF),低周波成分(LF),LF/HFを算出した。その結果、タッチを受けている間は、副交感神経活動の指標であるHFが安静時と比べて高く、一方、交感神経活動の指標であるLF/HFは安静時と比べて低いことがわかった。またタッチを提供している間はLF/HFが低く、指先温度に上昇がみられていた。本結果は、癒し技法としてのタッチが、タッチを受ける人にリラックス状態をもたらすこと、タッチを提供する人に交感神経活動が低下した穏やかな状態をもたらすことを示唆すると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、科学研究費補助金の内定時期が12月であったため、これまで蓄積してきた実験データの整理と、新たな実験の準備を整えることはできたが、23年度に計画していた実験を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の当初計画は、基礎データの蓄積・整理を2年間行ってから、3年目にフィールドでの実践を実施する予定であったが、上記の理由で研究期間が短縮されたため、基礎データの蓄積・整理とフィールドでの実践を一部並行して行うことにした。
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