研究課題/領域番号 |
23390497
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
中山 和弘 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (50222170)
|
研究分担者 |
佐居 由美 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 准教授 (20509525)
石川 ひろの 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40384846)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ヘルスリテラシー / 保健医療社会学 / 看護情報学 / ヘルスコミュニケーション / 意思決定支援 |
研究概要 |
1)ヘルスリテラシーに関する学習コンテンツの開発:収集した欧米のヘルスリテラシーコンテンツの内容を確認し分類し、ヘルスリテラシーに関する学習コンテンツとして、「ヘルスリテラシーとは(定義など)」、「保健医療の専門家に求められること」、「市民や患者にできること」、「医療者と患者が一緒に決める方法」、「社会経済的な格差と健康、それを知るのもヘルスリテラシー」という5つのコンテンツを開発しウェブサイトに公開した。 2)ヘルスリテラシー不足による問題や困難の抽出と支援方法の検討:収集した健康関連のQ&Aサイトの書き込みと闘病ブログの中からヘルスリテラシー不足またはヘルスリテラシーに合わせた情報提供がうまくいかないためにディスコミュニケーションが生じた事例や場面を抽出し分類した結果、「医療者と患者・市民の情報共有の弊害」、「医療者と患者・市民の信頼関係の構築の弊害」の2つの弊害によりディスコミュニケーションが生じていた。ディスコミュニケーションが生じる時、患者・市民は医療者に対し不安や怒りといった陰性感情を経験するだけでなく、自身の健康状態を過小評価したり過大評価していた。医療者は患者・市民のヘルスリテラシーレベルに合わせた効果的なコミュニケーションをとるのとともに、どのように思いやりを感じる関係性の構築の必要性が示唆された。 3)ヘルスリテラシーの向上を支援するための学習コンテンツのアウトカム指標の検討: すでに前年度コンテンツの内容が理解できたかどうかを確認する知識テストを62項目作成しているが今年度はアウトカム指標の検討として、The European Health Literacy Survey(HLS-EU-Q)47項目版の日本語版を開発し、その信頼性と妥当性を検討するために1000人の市民を対象としたWeb調査を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集した欧米のヘルスリテラシーコンテンツの内容を確認し分類し、ヘルスリテラシーに関する学習コンテンツを開発し、評価指標の検討ができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、開発したコンテンツの内容の評価、およびコンテンツ内容を提供することによって得られるアウトカム評価の検討が必要となる。年間計画の立案を実施し分担研究者とのコミュニケーションを密にとりながら研究を進める。
|