研究課題/領域番号 |
23390501
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀬戸 奈津子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60512069)
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研究分担者 |
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
正木 治恵 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (90190339)
石井 秀宗 名古屋大学, 教育学研究科, 准教授 (30342934)
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キーワード | 看護学 / 評価 / 実践能力 / 育成プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、先行研究で開発した糖尿病看護における実践能力育成プログラムを効果的かつ効率的に運用するために、全国への普及を目指し、その育成効果及び患者アウトカムを検証することである。 本年度は、1,056名の糖尿病看護に従事する看護師によるデータに対し、信頼性・妥当性の検証を経て明らかになった9因子、【専門的知識・技術により患者の個別性に応じて看護過程を使った看護を展開できる】【施設内外の活動を通して専門性を発揮することで評価が得られる】【医療専門職のチームメンバーとして看護の専門性を発揮し評価が得られる】【働きかけによってスタッフを成長させることができる】【実践能力向上に努め課題を見出しながら自らの実践に根拠と自信をもてる】【看護援助の効果として患者アウトカムが得られる】【活動の効果を評価しつつ環境を獲得するための戦略を練ることができる】【糖尿病看護にやりがいを感じられる】【専門的知識・技術に官信をもった上でスタッフを育成できる】に対し、経験年数や資格の有無に違いがあるか否か、一元配置分散分析にて解析した。その結果、因子ごとの経験年数として、1年未満(新人看護師)、1年以上10年未満、10年以上の3群で、また資格として日本糖尿病療養指導士有資格者と地域糖尿病療養指導士有資格者との間で、またそれぞれ無資格者で有意差がみられた。以上の結果とクラスター分析の結果明らかになった2つのクラスターとの整合性を吟味検討し、1年以上10年未満をブラッシュアップコース、10年以上をマネジメントユースとした2つの糖尿病看護実践能力育成プログラム案を作成した。 次年度は、リーダーシップを発揮し、貢献できる糖尿病看護に専門性の高い糖尿病看護認定看護師と専門家会議(平成24年8月18日)で検討し、「糖尿病看護実践能力育成プログラム提供システム(暫定版)」を構築し、運用していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、糖尿病看護における実践能力育成プログラム提供システム(暫定版)の運用と評価(アクションリサーチにて軌道修正)を平成24年9月に予定しており、8月18日(土)の専門家会議での検討を踏まえれば、予定通り実現可能であることから、おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者である実績(最低1回の更新審査済)のある公益社団法人日本看護協会認定の糖尿病看護認定看護師の勤務する200床以上の有床施設(約200施設)のうち、研究協力の得られた施設に対し、「糖尿病看護実践能力育成プログラム提供システム(暫定版)」を2~3施設の教育担当者と糖尿病看護認定看護師に運用してもらい、運用前後の評価をしながら、見えてきた課題に対応する形で、軌道修正し、運用方法も加味した確定版へと発展させる予定である。運用前後には実践能力評価指標を用いて比較し、スタッフ看護師に対する育成効果を検証する。また、育成されたスタッフ看護師の糖尿病患者に対する療養支援前後で、糖尿病患者のセルフケア能力測定ツールを使用した能力測定を実施することで、看護師のみならず患者にとっての成果を検証する。
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