研究課題/領域番号 |
23390501
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀬戸 奈津子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512069)
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研究分担者 |
石井 秀宗 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30342934)
清水 安子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50252705)
正木 治恵 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (90190339)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護学 / 評価 / 実践能力 / 育成プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、先行研究で開発した糖尿病看護における実践能力育成プログラムを効果的かつ効率的に運用するために、全国への普及を目指し、その育成効果及び患者アウトカムを検証することである。 本年度は、昨年度作成の看護師経験年数1年以上10年未満対象のブラッシュアップコース、10年以上対象のマネジメントコースの実践能力育成プログラム案をもとにそれぞれ糖尿病看護認定看護師6名による専門家会議を1回4時間×3回開催し検討を重ね「糖尿病看護実践能力育成プログラム内容と運用方法(暫定版)」を構築した。 ブラッシュアップコースは、初級、中級、上級とプラスαの4段階に分けた。初級コースは、基礎知識の提供と模擬事例の情報収集、アセスメント方法の獲得の教育。中級コースは、模擬事例の全体像をとらえたアセスメント及び看護計画の立案、実事例のグループディスカッションから参加者自身の関わりの改善点だけでなく互いの肯定的評価も含めた看護展開への支援。上級コースはグループディスカッションにより困難実事例に対する看護展開とし、振り返りと自らの課題の抽出、他職種との連携も視野に入れた内容とした。プラスαでは、事例報告を院外発表できるレベルにするとした。運用方法は、複数施設でプレテストを実施し運営可能かどうかに加えて、参加者の到達度を質問紙調査で評価をすることとする。 マネジメントコースは、3日間の「医療専門職とは」「成人教育」「危機管理」「ケアシステム・サービス提供」「交渉術」「相談」「活動計画・立案評価」の講義および6ヶ月後に2日間の実践報告会を設ける。事前課題としてSWOT分析にて自施設の組織の現状および課題を看護管理者と共有し、実践活動計画を立案する。3日間の講義を通して実践活動計画をさらに洗練させ、受講後6ヶ月間で計画を実践し評価する。実践報告会にて自己の実践を報告し、コース受講前後で評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、「糖尿病看護における実践能力育成プログラム内容と運用方法(暫定版)」について、1回の専門家会議で構築予定であったが、莫大な実践項目に対する内容の詳細を詰め、さらには運用方法等を検討するには想定以上の時間を要し、3回の会議を開催した。しかしながらその分、詳細な内容と運用方法、さらには評価方法まで明確にすることができ、本研究目的に照らしたところ、おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究協力者である実績(最低1回の更新審査済)のある公益社団法人日本看護協会認定の糖尿病看護認定看護師の勤務する200床以上の有床施設(約200施設)のうち、研究協力の得られた3施設に対し、「糖尿病看護実践能力育成プログラム内容と運用方法(暫定版)」を各教育担当者と糖尿病看護認定看護師に運用してもらい、運用前後の評価をしながら、見えてきた課題に対応する形で、軌道修正し、運用方法も加味した確定版へと発展させる予定である。 運用前後には実践能力評価指標を用いて比較し、スタッフ看護師に対する育成効果を検証する。また、育成されたスタッフ看護師の糖尿病患者に対する療養支援前後で、糖尿病患者のセルフケア能力測定ツールを使用した能力測定を実施することで、看護師のみならず患者にとっての成果を検証する。
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