研究課題/領域番号 |
23390502
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
大石 ふみ子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (10276876)
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研究分担者 |
葉山 有香 梅花女子大学, 看護学部, 講師 (30438238)
森本 悦子 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (60305670)
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
水野 道代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70287051)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がん看護 / 放射線療法 / 頭頸部がん / 晩期有害事象 / 開口障害 |
研究概要 |
平成23・24年度においては、開口障害の実態を明らかにするため放射線治療を受けて3ヶ月以上5年未満経過した患者を対象とした横断的調査を実施した。調査内容は①自動的開口範囲、②咀嚼力、③開口に関する自覚症状や生活状況、④QOL(頭頸部放射線治療用QOL-RT/H&N日本語版2002、日本放射線腫瘍学会)である。その結果、対象者は65名(男性55名女性10名)、開口範囲は、平均37.9±7.8mm(22.1-57.1mm)であった。この調査においては、治療開始前における開口域調査を行っていないため、縦断的調査を実施することとなった。 縦断的調査に先立ち、横断調査対象者の65名の開口域についての評価を行うため、さらに今後開口障害について評価していくためには、我が国の健常成人の自動的開口域について明らかにする必要があると考えた。しかし、正常成人の開口範囲についての値は厳密なデータはなく調査ごとに異なり、年齢別の調査も十分に行われていなかった。そのため、今日における地域で暮らす高齢者の開口範囲について把握する必要性があると考え、測定調査を実施した。69名(男性36名、女性33名、平均年齢73.0±5.9歳)への調査の結果、平均開口範囲は44.8±6.1mmであった。男女別では男性(平均年齢73.2±5.0歳)45.8±6.1mm、女性(平均年齢72.9±6.9歳)43.8±6.0mmであった。対象者の平均年齢は、先の横断調査対象者より高齢であるため単純な比較検討は困難であるが、明らかに放射線治療後は、開口範囲が縮小していることを示唆する結果とであると考える。 これらの結果を踏まえ、縦断的調査項目の内容の再検討を行い、縦断的調査を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定を修正し、平成23年度、24年度において、横断的調査を実施した。平成25年は、これらの詳細な評価、縦断的調査のための調査項目についての検討を実施し、予備的調査を開始した。平成26年度、27年度においては、縦断的調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、頭頸部がんで放射線治療を受ける患者の、治療開始前の段階から、治療終了時、終了後にわたる縦断的調査について継続する。調査の内容は、横断的調査に準じ、開口状況、咀嚼力、QOL、日常生活状況についてとする。 追跡的調査のため、十分な対象者を確保するため、複数年度に渡る計画である。
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