研究課題/領域番号 |
23390505
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
原 三紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90291864)
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研究分担者 |
小長谷 百絵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10269293)
佐藤 紀子 東京女子医科大, 看護学部, 教授 (80269430)
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キーワード | 聴く / 心のケア / 神経難病 / 神経難病患者 / 看護継続教育 / 教育プログラム / 看護師 |
研究概要 |
本研究の目的は、看護師が神経難病患者の話を心のケアとして聴くことを支援するための看護継続教育プログラムの有効性を検証することである。 今年度は、研究者らが先行研究(平成20年~22年度科学研究費基盤研究(C)課題番号:20592565)で看護師を対象に、神経難病患者の話を「聴く」ことに伴う困難等について半構成的面接を行い質的帰納的に分析した結果から導きだした教育プログラムの要素ならびに教育方法の再検討を行った。それに並行して、<学習者としての対象理解><専門職としての看護師の理解><コミュケーション教育><教育プログラムの枠組み>などの視点から文献検討を行った。 教育プログラムの要素については、難病医療、継続教育、コミュニケーション教育など携わる研究者、医師、看護師を交えて検討を行った。その結果、神経難病患者の<対象理解>に焦点をあてた【難病患者の理解を深めて聴く】ことだけではなく<ケア>に焦点をあて、【心のケアとして聴くことを深める】ことにも重点を置くプログラムに修正した。 さらに、平成23年8月27日の第16回日本難病看護学会学術集会にて、「神経難病療養者のこころのケアとして「聴く」ことを考える-「聴く」というケアで主体的な選択を支援する-とのテーマで公開セミナーを開催した。公開セミナーでは、神経難病療養者の主体的な選択を支援する聴き方の方向性を見出すことを目標に講義ならびにセッションを行った。また、先行研究結果から導き出したデータを元に作成した「聴くシート」を、参加者のコミュニケーションスタイルを振り返る際に教材として活用した。神経難病患者の話をより良く聴くことに関心のある看護師は、患者の特性を概ね理解し、患者と向かい合う時間を確保することの難しさを感じながらも、より良い聴き方を模索していることが「聴くシート」から読み取れた。 今後は、これらの結果をもとに教育プログラムを展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、検討会、公開セミナーの開催などを通して、先行研究から抽出した教育プログラムの要素を見直し修正を行うことが出来た。プログラムの焦点化をする上でのプロセスを踏めた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、修正した教育プログラムの実施を行う。また、日本難病看護学会での公開セミナーの開催を通して、難病看護に関わる看護師・保健師へ教育モデルを解説ならびに実践方法を紹介し、有用性を問う。
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