研究課題/領域番号 |
23390505
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
原 三紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90291864)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 聴く / 心のケア / 神経難病患者 / 看護師 / 看護継続教育 / 教育プログラム / PBL / コーチング |
研究概要 |
本研究の目的は、看護師が神経難病患者へ心のケアとして「聴く」ことを支援するための看護継続教育プログラムの有効性を検証することである。平成25年度は前年度に引き続き「聴く」ことに焦点をあてた看護継続教育プログラムに基づく教育セミナー(福岡)ならびに日本難病看護学会学術集会にて公開教育セミナーを開催した(東京)。学会セミナーでは「神経難病療養者のこころのケアとして「聴く」ことを考える‐「聴く」ことと「聴き手としての私」との関係‐というテーマでセッションを行い64名が参加した。テーマに取り上げた「聴き手としての私」はコーチングの領域で「自己基盤力」という表現で扱われ、「自分自身を十分に認識し自分自身をうまく使いこなしていくこと」と定義されている。今回はこの「自己基盤力」の観点からセミナーを展開し、「聴き手としての私」についてを考えるための実践ワークを行った。参加者からは「自分の思いが聴き手としての自分を邪魔していることが分かった」「自分のコミュニケーションの特徴をもっと知りたくなった」などの感想が聞かれ、より良い「聴き手」になるには聴き手としての私自身の思いや考えに気づくことの重要性を確認した。 また、教育プログラムの検証を目的としたセミナー(1ヶ月に1回(土曜日)3回シリーズで開催)を福岡で開催(10月~12月)した。参加者は8名で平均年齢47歳、神経難病患者への看護経験は平均4年であった。研修方法は、昨年と同様に講義、演習、PBLワーク、自己学習課題をベースに展開した。セミナーを通して参加は「患者の思いの理解より、患者の問題解決方法にとらわれていた自分に気づいた」「上手に聴くことを目指すのではなく、患者に寄り添いながら聴くことの重要性に気づいた」など、聴き手としての自分の姿勢を振り返る発言が多く聞かれた。セミナー参加者に実施した半構成的インタビューデータは分析の段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は前年度に引き続き、「聴く」ことに焦点をあてた看護継続教育プログラムに基づく教育セミナー(福岡)ならびに日本難病看護学会学術集会にて公開教育セミナーを開催した(東京)。福岡でのセミナーは 毎月1回土曜日に3回シリーズで企画したが、参加者の中には勤務調整が難しく継続してセミナー受講できないケースがあった。そのため、研修の回数については課題が残った。教育セミナーの参加協力者に対して受講後のインタビュー調査は予定通り実施できた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、セミナー開催の情報提供を早めに行い参加希望者を募る。また、セミナー協力者へ行ったインタビュー結果の比較分析を行う。検証を行った教育プログラムは製本化する。 研究成果については第19回日本難病看護学会学術集会、25th International Symposium on ALS/MND国際学会、35th International Association for Human Caring Conferencにて報告を検討している。
|