平成25年度は昨年度より、婦人科がん患者術後に行うリンパ浮腫予防教育の効果の検討を介入方法を変更しながら行ってきた。第1次、第2次、第3次と検討を重ねてきた結果、知識レベルの定着度の評価において、第1次のパワーポイント教材を使って、その知識定着テストを行ったグループと第2次は、第1次+知識定着テストの評価解説を行うグループ、さらに第3次では、知識定着の悪い項目におけるパワーポイント教材の改変を行うなどして、その1ヶ月後のリンパ浮腫外来での知識レベルの定着度テストの比較を行った。その結果、第2次のパワーポイント教材+解説の予防教室受講が1ヶ月後の知識定着に効果があることがわかった。この件に関しては、論文にて公表した。 第2に、リンパ浮腫予防のためのセルフケアを促す上で、患者がリンパ節郭靖を伴う手術を行い、その後リンパ浮腫の発症リスクを抱えることになるが、そのことを告知された時に患者はどのような反応をし、それと向き合うことができるのかについて、ナラティブデータを元に質的に分析を行った。その結果、「一生リンパ浮腫発症のリスクをになっていくことに、不本意さを持っていた。これはがん告知から手術決意に至るまでの期間において、手術の副作用を説明されていたとしてもそれについては、なかなか対処しきれず、術後に再度説明されることで、その事実に不本意な気持ちをいだいていた。また、いつ発症するかわからないことに「不確かさ」を感じていたが、これに関しては、様々な不確かさがあり、この「不確かさ」が、セルフケア行動に向く一つの思いの通過点になっていた。これについては、論文投稿中である。 第3にリンパ浮腫患者のQOL尺度(特定疾患QOL尺度)を開発した。信頼性、妥当性の検討を終了し、全国的使用を広めることにしている。
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