研究課題/領域番号 |
23390507
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
生涯発達看護学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
我部山 キヨ子 京都大学, 医学研究科, 教授 (20243082)
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キーワード | 高度生殖補助医療 / 尿中カテコラミン / 自律神経機能 / 不妊 / 生理的ストレス |
研究概要 |
調査1:ART妊産褥婦の抑うつ傾向と不妊背景およびストレス対処能力、尿中ストレス関連物質の関連性 対象:1)Aクリニックで、ART後に妊娠に至った妊婦50名と自然妊娠者50名(尿中カテコラミンの調査) なお、質問紙調査だけの調査者については、各群100名を対象とする。 方法:前向きコホート調査-妊娠末期、産褥5日、産後1ヶ月の3時期に質問紙調査、カルテ調査、生理的指標((1)尿中ストレス関連物質)を行う。調査内容:(1)ストレス調査:尿中カテコラミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)、(2)病歴調査:●身体的因子(妊娠・分娩・産褥・新生児因子:経過と異常など)、妊娠因子の例:妊娠週数、妊娠歴、合併症の有無、妊娠経過、妊娠中の異常の有無、胎児の発育状態、入院経験の有無等、●不妊因子の例:不妊に関する因子(不妊期間、不妊症の原因)、不妊治療に関する因子(不妊治療期間、不妊治療内容)、(3)質問紙調査:3時期ともにエジンバラ産後うつ病検査(EPDS)、ストレス対処能力(SOC)、●妊娠末期:個人属性、妊娠時の心理、産後5日:分娩時の心理、産後1ヶ月:授乳・育児状況、産後の心理、●看護者(看護師・助産師)へのニーズ この調査は平成23年~24年の2年間にわたる計画であり、現在はART後妊娠者においては10名、自然妊娠群においては20名のデータを収集済みである。 調査2:不妊治療後妊娠者の分娩期のストレスの変化 対象:A助産院およびB診療所において出産目的で入院した不妊治療後妊娠者5名と自然妊娠者5名 方法:(1)緊張とリラックスの測定:分娩第一期から分娩終了後まで:ハートリズムスキャナー(Biocom社)を胸部に装着し自律神経系の動態を調べる。(2)活動量・睡眠覚醒の測定:分娩第一期から分娩終了後までActiwatch(腕時計式加速度計)を装着し、睡眠覚醒リズム、活動レベルなどを計測する。加えて(3)質問紙調査で分娩に関する事項、個人属性、日常的な不安度(STAI)を調査する。 本調査も平成23年~24年の2年間にわたる計画であり、対象のリクルートについては自然妊娠の産婦5名、ART後妊娠の産婦1名である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査1については、概ね順調に推移している。調査2については、調査協力を得ていても、機器を装着するまもなく分娩が早く終了するなどして、分娩(入院から分娩終了まで)を通してのデータ収集が難しいことや、分娩時の産婦の汗によって胸部に貼り付けたハートリズムスキャナーが外れやすいなどの障害がでて、分析可能なきれいなデータを収集するのが難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
調査1については、このままデータ収集を継続し、予定の対象数まで確保する予定である。調査2については、(1)Actiwatch(腕時計式加速度計)の装着については、施設勤務者に正しい装着の仕方を指導し、(2)自律神経機能測定については、データ収集補助者等に対して事前に十分な訓練を行い、いずれもできるだけ分娩開始から終了までのデータ収集ができるように努力する。
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