妊娠末期の妊婦の体表面温度の分析~自然妊娠妊婦と不妊治療後妊婦の比較 目的:自然妊娠の妊婦(以下、自然妊婦)と不妊治療後妊婦の体温を測定した。方法:妊娠34週以降の妊婦に対し妊婦健診の来院時にサーモグラフィーによる体表面温度の測定、電子体温計による腋窩温度の測定を行った。分析は統計ソフトSPSSver.22を用い、2群間の比較はt検定を用いた。結果:自然妊婦206名、不妊治療後妊婦55名の分析を行った。平均年齢は自然妊婦29.9(SD4.8)歳、不妊治療後妊婦35.9(SD3.5)歳、p=0.000であった。腋窩温はそれぞれ36.3(SD0.39)℃、36.4(SD0.28)℃、p=0.027、足部温は33.2(SD3.1)℃、31.5(SD3.9)℃、p=0.001、腋窩温と足部温の差は3.1(SD3.2)℃、4.9(SD3.9)℃、p=0.000、出生児体重は3022.6(SD403.8)g、3067.6(SD406.7)g、p=0.467であった。考察:不妊治療後妊婦の方が自然妊婦より腋窩足差が大きいことから足部の循環が悪いと考えられる。児体重については不妊治療後妊婦から出生した児の体重は重くなるという報告もあり、この影響と不妊治療後妊婦は自然妊婦よりも妊娠経過における医療介入が早く、子宮動脈血流PI値が高い事例が少なかったことが影響されたと考えられた。
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