研究実績の概要 |
本研究の最終年にあたり、ハイブリッドセンシング睡眠評価システムの完成を目指して、装置のハード、ソフトの実装を行っている。ハード面に関しては、行動分析・音声分析ができるようなデータソースの収集機械、ソフト面に関しては、行動を数値的に捉える自動画像分析、音声に関する分析ソフトを作成している。引き続き、以下の3点を目標とした。1.行動・音声分析システムの自動判定の開発にむけて機器を実装する。2. 小児睡眠研究者との討議を行いシステムを洗練させる。3.データ集積を行い、システムの信頼性の検討を行う。 1.については、大容量の画像データのハード面に関してはほぼ実装できた。ビデオカメラ(SONY, Handycom, HDR-PJ760)にて、画像と音声をとらえ、スリム化を図った。夜間の暗環境では赤外線を利用し、生活環境に影響を及ぼさず自然環境下の睡眠状態の把握を行えた。そして、画像解析ソフトを2タイプ作成し、比較検討中である。また、運動量の測定を行っているactiwatchのデータから、自己相関を算出する分析ソフトを作成し、睡眠データとあわせて解析中である。 2.については、学会などに参加して、新生児・小児睡眠研究者と交流し、ネットワークを広げた。8月ISMSJ(日本睡眠臨床医学会)、10月ヨーロッパ睡眠学会に参加した。乳児の睡眠観察については希少で、小児睡眠研究者の関心は高かった。 3.については、実装したハードシステムを用いて、昨年に引き続き、乳幼児の生後2週から25週までの睡眠情報を集積した。生後2週目、4週目、7週目、12週目、25週目の5時点を、縦断的に画像・音声・運動量のデータ収集を行った。事例12例のデータを収集することができた。本データは、システムの自動判定のためのデータとして、睡眠時と覚醒時の睡眠パラメータの分析を進めている。
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