研究課題/領域番号 |
23390517
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡本 玲子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60269850)
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研究分担者 |
小出 恵子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (40550215)
草野 恵美子 千里金襴大学, 看護学部, 准教授 (70346419)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20321276)
津田 敏秀 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20231433)
浜田 淳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70334886)
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キーワード | 公衆衛生看護学 / 保健師 / 技術開発 / 地域アセスメント / 評価 / 能力開発 / プログラム開発 / 教育方法 |
研究概要 |
平成23(2011)年度は、(1)求められる「見せる公衆衛生看護技術((1)活動の必要性を見せる技術、(2)活動の成果を見せる技術)」の技術内容、および(2)「見せる公衆衛生看護技術」の獲得方法と実践に用いる媒体について、全国の保健師を対象とした実態調査の分析および専門家9名からの意見収集より明確化を試みた。また、学習プログラム作成に向けては、まず対象となる保健師の専門能力獲得や教育体制の現状を明確にすることから取り組んだ。 実態調査((1)の行動20項目、(2)の行動19項目、n=1035)の結果からは、「活動の必要性を見せる技術」として、とりわけ実施率が低く強化が必要と考えられた項目は、「7.管轄の複数の地区の状況を数値や分布で比較する資料を作成する」「8.費用対効果を予測し算出した資料を作成する」「13.記録や資料を根拠に健康格差・不平等の実態を説明する」であった。同様に、「活動の成果を見せる技術」では、「26.介入(実施)前のベースライン値を測る」 「32.介入(実施)の前後の変化を数値や分布で示す資料を作成する」「33.介入群・非介入群の違いを数値や分布で比較する資料を作成する」であった。 専門家の意見収集結果のまとめからは、公衆衛生看護技術における「見せる」の定義と、技術内容を体系化する際の構造が見えてきた。公衆衛生看護技術における「見せる」とは(定義案)、公衆衛生看護の目的を果たすために、取り組む必要がある事象(不足、欠落、格差など)を、保健師等の専門職が責任を持って、個人・集団・組織・公(全体)に対して、根拠を持って可視化し説明する(説明責任を果たす)ことである。 こうした「見せる公衆衛生看護技術」を体系化する際には、「何のために」、「誰に」、「何を」、「どのようにして」など「見せる」ための要素の全体像を明確にする必要がある。これらの要素は大きく分けて、上層に「何のために」、「誰に」、「何を」、に相当する「見せる目的・対象・内容」がある。その下の中層には「どのようにして」見せるのかに相当する複数の方法・媒体と、その下層に「どうやって」見せるのかに相当する複数のテクニックが存在すると考えられた。 今後はこれらの具体的な内容をさらに明確にするとともに、技術獲得の優先度、技術獲得の学習プログラム開発を行っていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
技術内容と優先順位、媒体の種類等に関する幅広い意見収集調査ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24(2012)年度は、(1)求められる「見せる公衆衛生看護技術((1)活動の必要性を見せる技術、(2)活動の成果を見せる技術)」の技術内容、および(2)「見せる公衆衛生看護技術」の獲得方法と実践に用いる媒体について、さらに明確化を図るとともに、先行研究で開発した学習成果創出型プログラムを活用し「活動の必要性を見せる技術」「活動の成果を見せる技術」の学習プログラムの開発を進める。
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