研究課題/領域番号 |
23390517
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡本 玲子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (60269850)
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研究分担者 |
津田 敏秀 岡山大学, 環境学研究科, 教授 (20231433)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20321276)
北脇 知己 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (40362959)
小出 恵子 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (40550215)
浜田 淳 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70334886)
草野 恵美子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (70346419)
鳩野 洋子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20260268)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 公衆衛生看護学 / 保健師 / 技術開発 / 地域アセスメント / 評価 / 能力開発 / プログラム開発 / 教育方法 |
研究概要 |
本研究は、住民と意思決定者に活動の必要性と成果を見せる公衆衛生看護技術を構築し、それを習得する学習プログラムを開発し、基礎教育・現任教育に適用することによって、質の高い公衆衛生看護活動を推進することを目指している。 平成24(2012)年度は、「見せる公衆衛生看護技術」を定義し、①活動の必要性を見せる技術、②活動の成果を見せる技術等について内容を体系化し、テキストを作成した。 「見せる公衆衛生看護技術」の内容は、1.活動の必要性を見せる(①公費を投じる新規保健事業の必要性を上司・首長・議会に見せる技術、②地域の健康課題と住民主体の活動で解決する必要性を住民に見せる技術)、2.活動した成果を見せる(①公費を投じた事業の成果を首長・関係機関に見せる技術、②地域の健康課題を解決する住民主体の活動の成果を住民に見せる技術)、3.保健師が役に立つ、意義のある存在であることを世間に見せる技術である。 「見せる手段」の内容は、1.企画を見せる(企画書の書き方、プレゼンテーション技術)、2.根拠を見せる(データから見せる:比較のグラフ化・実態の図示、地図で見せる:スポット地図・GIS・GPS、ナラティブに見せる)、3.見せる根拠の作り方(疫学手法:事例の記述・コホート・ロジスティック回帰分析、医療費分析・費用対効果)、4.見せるチャネルとその活用戦略、5.保健師の力量を見せる(リフレクション、保健指導におけるロールプレイ逐語録)である。 「見せる公衆衛生看護技術」を習得するプログラムとして検討した内容は、1.学習成果創出型プログラム、2.コンピテンシー評価指標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.平成24年度はテキスト「見せる公衆衛生看護技術」を作成し①活動の必要性を見せる技術と②活動の成果を見せる技術の学習プログラムを検討した。 2.テキストの構成は以下の通りである。 序章 保健師はなぜ「見せる」必要があるのか~公衆衛生の向上にむけた意思決定と継続的質保証を推進するために~ 第1部「見せる公衆衛生看護技術」とは何かを理解するために 第1章 活動の必要性を見せる 第2章 活動した成果を見せる 第3章 保健師が役に立つ、意義のある存在であることを世間に見せる~自治体において保健師が減らされないために 保健師が自身の専門性に自信を持って仕事できるために~ 第2部「見せる手段」を習得するために 第4章 企画を見せる 第5章 根拠を見せる 第6章 見せる根拠の作り方 第7章 見せるチャネルとその活用戦略 第8章 保健師の力量を見せる 第3部「見せる公衆衛生看護技術」を習得するために 第9章 学習成果創出型プログラム 第10章 コンピテンシー評価指標
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今後の研究の推進方策 |
本年度(~平成26年3月31日)の研究実施計画 1.平成25(2013)年度は、平成24年度に作成したテキスト「見せる公衆衛生看護技術」を用いて、①活動の必要性を見せる技術と②活動の成果を見せる技術の学習プログラムを展開する(昨年度計画していた試行ができなかったため、今年度は試行から行う)。2.試行に先立ち、テキスト「見せる公衆衛生看護技術」に示した「見せる目的・対象・内容」、「見せる方法・媒体」、「見せるテクニック」について、学習プログラムで使用する媒体を作成する。 3.今後発展が期待される「マッピングと情報集積技術」、「アウトカム、費用対効果の予測・説明技術」、「説明力を高める図表化技術」については、さらに実践現場での活用の方向性を検討する。4.テキストの内容妥当性について再度専門家パネルに意見収集調査を行い、改定したのちに、複数のフィールドにおいて学習プログラム実施、効果を検証する。 5.学習プログラムを精錬する過程では、経験年数別(「新任期」「中堅期」「管理期」)、職場別(都道府県本庁、保健所、市町村保健センター)など、属性別の検討も加えていく。 6.プログラムの評価指標について、既存の評価指標の活用可能性、新たな尺度・指標の必要性について引き続き検討する。
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