研究課題/領域番号 |
23390518
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
澤田 いずみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (50285011)
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研究分担者 |
宮島 直子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (60229854)
高橋 由美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 研究員 (60438033)
塚本 美奈 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (30608500)
正岡 経子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (30326615)
大野 真実 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (70635896)
池田 望 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00274944)
影山 セツ子 富士常葉大学, 付置研究所, 研究員 (00290479)
丸山 知子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (80165951)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 子育て / 精神科看護 / 外来支援 / ペアレントトレーニング / ネットワーク / 多職種連携 |
研究概要 |
目的1:外来における支援方法を確定するための先駆的地域でフィールドワークは、浦河赤十字病院「あじさいくらぶ」でのフィールドワークを継続的に行い、平成23年度から平成24年度へ繰り越した、オーストラリアクィーンズランド大学でのペアレントレーニングおよびParent with mental illnessに関わる支援についての研修に参加した。その結果、統合失調症をはじめとする精神病圏の親対象のペアレントトレーニングに関わる研究の経過や、乳児期におけるプログラム開発に関して情報を得られた。また、オーストラリアのNPO団体であるCOPMIに関する情報を得られ、教材開発のために精神障害をもつ親と支援者がケアプランを共有できる教材と、動画などのコンテンツ開発、精神障害をもつ親の子どもに対する支援の必要性が示唆された。 目的2:専門職支援者を対象とした研修会の開催については、昨年度、実施した家族会会員31名対象の研修会での調査を分析した結果、子育については58.1%が「難しい」と回答し、理由として統合失調症のストレス脆弱性や支援へのつながりにくさといった障害の特性と支援資源の不足を挙げていた。今の支援で子育ては「可能と思う」と回答したのは0%であり、新しい支援があれば子育ては可能かについては、22.6%が「思う」と回答した。必要な支援として、個別的な相談窓口やアウトリーチサービス、育児の代替サービス、経済支援など、家族に代わる直接支援の充実を含めていた。困難がありながらも当たり前の幸せとして子育てを体験させたいとも感じており、それには、保健福祉医療機関の積極的関与と周囲の理解を求めていた。以上のことから、当事者の育児力、家族や専門職種の支援力形成にとどまらず、新たな支援体制や地域住民の理解の向上も課題となっていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①大学病院における看護外来の開設が遅れているため。 ②オーストラリアへの視察が生成24年度へ繰り越されたため、プログラム・教材開発が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
①大学病院での実行の見通しを予測することができないため、外来支援に活用できる教材を開発し、同意の得られた総合病院での試行的評価を図ることで研究を推進する予定である。 ②教材開発には、オーストラリアのNPOであるChildren of Parents with a Mental Illness national initiative (COPMI)を参考とする予定であり、先方との調整を開始している。 ③支援プログラムについては、まず、ペアレントトレーニングをフィールドワーク先である浦河赤十字病院で試行的に実施し、評価を行う計画を進めている。
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