研究課題/領域番号 |
23390521
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
鎌倉 やよい 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
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研究分担者 |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60238441)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
藤原 奈佳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30178032)
坂上 貴之 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
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キーワード | 地域高齢者 / 摂食・嚥下障害 / 予防 / システム / 聖隷式嚥下質問紙 / 嚥下障害リスク評価尺度 |
研究概要 |
地域高齢者の嚥下障害・嚥下障害リスクについて、聖隷式嚥下質問紙(以後、障害尺度)と嚥下障害リスク評価尺度改訂版(以後、リスク尺度)を用いて明らかにすることを目的とし、A市の老年人口16,712名のうち無作為に65歳以上の高齢者9,962名に対して質問紙調査を郵送法で実施した。調査内容は属性、障害尺度、リスク尺度及び保健行動自己制御尺度である。返送された6,068名(回収率60.9%)のうち、5,949名(有効回答率98.0%)を分析対象とした。統計解析にはPASW19.0を用いた。その結果、平均年齢74.0±6.6歳、男性が47.3%、夫婦世帯が50.4%、非常に・まあまあ健康だと思う者が83.7%、部分義歯と自分の歯の者が63.8%、介護認定を受けていない者が91.9%であった。障害尺度とリスク尺度が共に陽性(陽性者)7.5%、共に陰性77.5%、障害尺度が陽性でリスク尺度が陰性1.1%、障害尺度が陰性、リスク尺度が陽性14.0%であった。 次に、通所介護事業所を利用している虚弱高齢者の口腔機能訓練に関するニーズと職員の認識を明らかにすることを目的に、無作為に抽出した1044事業所を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は、基本属性、口腔機能訓練が必要な利用者数、訓練の必要性に対する職員の認識等である。238部を回収し(回収率22.8%)分析した結果、看護職37.8%、介護職28.6%、その他37.0%、口腔機能維持に関わる看護職は1施設あたり平均2.0±1.2名、介護職5.7±4.6名であった。機能維持・向上のためのケアが必要な利用者数は23.4±28.7名、ケアが実施されている利用者数は29.8±36.3名であった。 また、次年度から実施する啓発活動として、嚥下体操に関する作詞・作曲を依頼し、身体活動を含めた体操として原案を作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該市と共同して調査を実施し、65歳以上の高齢者の約37%について摂食・嚥下障害リスクの状況を地区別に把握することができた。これによって、次年度のスクリーニング方法と当該市における実施可能性を協議することができる。当該市の歯科医師会と連携し、スクリーニング後に訓練を実施できる病院の言語聴覚士及び摂食嚥下障害看護認定看護師と調整することができた。虚弱高齢者に対する基礎的調査も終了した。
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今後の研究の推進方策 |
摂食嚥下障害予防のための啓発活動として、身体活動を含めた嚥下体操を完成させて普及させる。次に、当該市の歯科医師会と連携して、スクリーニング後の口腔ケアに関するセルフチェック用パンフレットを完成させる。 また、当該市と質問紙によるスクリーニング後の検査の実施の可能性を調整したうえで、再度調査票を郵送しセルフチェックを求め、リスクのある高齢者には、二次スグリーニング検査を実施する。 ディサービスを利用する虚弱高齢者に対して、嚥下体操を導入すると共に、訓練プログラムを構築してその効果を測定する。 23年度の研究成果について学会発表を行う。
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