研究課題
地域高齢者が嚥下障害リスク評価尺度改訂版(MDRAS)を用いてセルフチェックを行い、摂食嚥下障害のリスク有りと判定される6点以上の者に二次スクリーニング検査を行うことを目的とし、前年度までに登録を希望した299名を対象に案内を送付した。二次スクリーニング検査には、107名(男性52.3%、女性37.4%、平均年齢79.4±5.5歳)が参加した。MDRASの確認後、舌圧測定、うがいテスト、反復唾液嚥下テスト(RSST)、30mL水飲みテスト及び歯垢染色液による磨き残し確認を実施し、パンフレットを用いて指導した。MDRASによってリスクありと判定された者は77.6%であり、RSSTでは29.0%、うがいテストでは4.7%、30mL水飲みテストでは5.6%であった。MDRASの尺度全体得点は平均12.2±9.3点であり、項目別には、咽頭期項目2.6±3.0点、誤嚥項目3.3±3.0点、準備口腔期項目4.8±4.7点、食道期項目1.5±1.6点であった。また、舌圧の平均値は28.6±8.1Kpaであった。MDRAS判定結果のリスクの有無別に項目別得点を比較すると、両群間に年齢の差はなく、すべての項目でリスクあり群が有意に高かった準備口腔期に関連するうがいテストとMDRAS準備口腔期の項目で「時々ある・いつもある」と回答した項目数とを比較した結果、有意な関係(p=0.026)を認めた。同様に、咽頭期・誤嚥に関連する30mL水飲みテストとMDRAS咽頭期の項目数、誤嚥の項目数を比較した。その結果、咽頭期項目数と30mL水飲みテストの結果に有意な傾向(p=0.087)を認めた。歯垢染色液を用いた歯磨き状況の確認では、上顎歯及び下顎歯をそれぞれ三等分して6部位を評価し、部位別に1/2以上染色された歯を参加者の31.6~44.8%に認め、準備口腔期における口腔ケアの課題が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本看護学会論文集 在宅看護
巻: 46 ページ: 印刷中