アンコール遺跡、サンボールプレイクック遺跡、コーケル遺跡およびプレアヴィヘア遺跡に使用されている砂岩およびレンガ材の化学組成、帯磁率、大きさ等の特徴に基づき、遺跡の建造順序の推定を行った。また、アンコール遺跡で多用されている砂岩材を供給した100箇所以上の石切り場を発見するとともに、その運搬経路を明らかにした。さらに、遺跡建造時に使用された鉄の材料である鉄鉱石の供給源に関する調査を行った。クメール遺跡の建築材表面では黒色化が認められ、多くは藍藻類の付着によるものであるが、これとは異なった黒色化が認められる。非破壊調査の結果、マンガン酸化物の沈着による黒色化が存在することが明らかになった。
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