研究課題/領域番号 |
23401004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 廉也 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 准教授 (20293938)
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研究分担者 |
縄田 浩志 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (30397848)
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キーワード | 地理学 / 生態学 / 農業経済学 / 退耕還林 / 黄土高原 |
研究概要 |
本研究は、退耕還林実施の中心となった黄土高原地域の農村を対象として、広域調査によって農村の類型化をした後に、類型ごとに事例村を剪定し、退耕還林実施前後の(1)土地被覆変化(2)新規造林地における樹木の活着率(3)生業変化(4)耕地減少の代替として各村でおこなわれた農村経済振興策の成否、を現地調査によって明らかにし、退耕還林政策を「環境保全効果」と「農村振興策の成否」の両面から総合的に評価することによって、中国の環境問題・貧困問題をめぐる諸分野の研究に学際的に貢献しようとするものである。 上記の目的に沿って、研究初年度(本年度)はまず国内で十分な資料調査・情報収集をおこなった上で、8月に中国陝西省において現地調査を実施した。現地調査では黄土高原の南部から北部にかけて、自然環境や社会条件の異なる地域を複数選んで農村を訪問し、現地の退耕還林実施状況の観察と、多数の農家世帯への長時間にわたる聞き取り調査をおこなった。その結果、退耕還林による育林の実施状況やその成否、そして政府主導による農村開発プロジェクトの成否の両面において、大きな地域差が存在することがわかった。次年度以降には引き続き広域調査を続けるが、本年度の調査によって分析に必要なデータの多くを得ることができたのは非常に有益であった。 現地調査の結果をまとめ、論文発表、学会発表をおこなったほか、一般向けの公開講演などをおこない、成果の還元をおこなった。また、放送大学テキストの執筆においても、本研究の成果を盛り込むことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「実績の概要」に記したように、本年度に実施した現地調査はほぼ計画通り実施することができ、次年度以降の分析に非常に有用なデータを収集することができた。次年度はこれをいかし、さらに広域調査によってデータ収集することができるとの見通しもたった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、当初の計画通りにすすめる予定である。次年度は現地調査によってさらに広域の「退耕還林の実施状況」および「農村開発プロジェクトの成否」に関するデータを収集し、その状況の地域差と、地域差を生み出す要因を分析するための基礎的な資料を準備する。 さらにその後(3年目以降)も、現地調査によってデータを増やしながら、当初の計画通りに、それまでに調査を実施した農村のなかからサンプルとしていくつかを抽出し、地域差の要因分析のためにより掘り下げた分析が可能なデータを収集する予定である。
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