研究課題/領域番号 |
23401009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60303880)
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キーワード | 地域開発 / 国際協力 / 地域研究 / アフリカ / タンザニア / 住民組織 / コモンズ論 / 相互作用 |
研究概要 |
本研究はタンザニアにおける地域開発実践を事例として、諸アクター間の相互作用によって創り出される動的で定性的なプロセスを継続的にモニタリングすることにより、内発性やキャパシティの発現過程とその形態を検証することと、開発実践の場に形成される住民組織の役割とインフォーマルな組織との関係性を明らかにしていくことを目的としている。対象となるタンザニア南西部ムビンガ県K村では、第一期、水力製粉機建設をめぐる諸アクター間での意見の相違・合意・協働の時期、第二期、農民グループ活動の展開と「停滞」の時期、第三期、小型水力製粉機建設や給水事業等の新たな事業への展開の時期へと推移してきている。本研究では、主に1)内発性やキャパシティの発現過程、2)コモンズ論としての資源利用・管理、3)住民組織の役割とインフォーマルな組織との関係性、4)外部要因との関係に着目し、4年間にわたり諸活動をモニタリングしていく予定であるが、科研1年目である2011年度は、8月から9月にかけて40日間程タンザニアに渡航し、ムビンガ県においてフィールド調査を実施した。 コモンズ論としての資源利用・管理については、水力製粉機や給水施設を一定の「公共性」を持った資源としてとらえ、資源の利用・管理に関わる組織や規範・制度の変容に焦点をあて調査を行ってきた。今回の調査では、K村の全村区を訪れ、給水事業の進捗や利用・管理を巡る状況を調査するとともに、重要な役割を担う住民組織「セング委員会」への聴きとり調査を行った。外部要因との関係をみるうえでは、引き続きコーヒー経済の村へのインパクトを観察した。また、ムビンガ県の農業省や水・灌概省等での聴きとりやデータ収集を行った。今までの研究成果を地元にフィードバックするために、2日間のワークショップを実施した。日本では、文献レビューとデータ整理を進めるとともに、学会や研究会等を通して他の研究者と頻繁に意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りタンザニアでのフィールド調査が実施でき、順調にモニタリングが進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、2012年8月~9月にかけてタンザニアでのフィールド調査を実施する予定である。文献レビューやデータの整理と並行して、論文執筆や学会報告等を行う所存である。
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