研究課題/領域番号 |
23401016
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研究機関 | 聖泉大学 |
研究代表者 |
磯邉 厚子 聖泉大学, 看護学部, 准教授 (40442256)
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研究分担者 |
植村 小夜子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10342148)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スリランカ / 農園 / 母子保健 / 低体重児 / 潜在能力 / 機能 / 自由 / well-beings |
研究実績の概要 |
2014年農園地域の子どもの発育不良の調査を最終段階とし、当初予定した調査計画を全て実行できた。農園地域の拠点のN病院に予防接種で訪れた5歳未満児57人中、測定できた48人のうち、年齢の割に低体重(以下低体重)が27%、中・重度の身長不足(以下発育阻害)が56%、蛋白質・エネルギー欠乏の栄養不良(以下消耗症)は重度が7%、中度が20%であった。これらは発育不良が解消されず、年齢相応の成長が遂げられていない。昨年から経過観察中の低出生体重児(出生時2500g未満)の子どもの家庭訪問19事例では半数に低体重が続いていた。母の多忙さや家族員の出稼ぎなど、家族機能の変化も影響要因と考えられた。農園で働く母が5歳未満児を預ける7ヵ所の託児所での、232人の子どもの身長・体重測定結果は、低体重29%、発育阻害が41%であった。人間開発低位グループの指標や国平均より高率であった。男女別では男児より女児に発育阻害が多く、慢性的に蓄積した栄養障害とみられた。0-59ヵ月児と、24ヵ月-59ヵ月児の比較では、男女共に低体重・低身長値が同率であることから、連続的に栄養不良が続いているとみられた。また、低出生体重児71人中、低体重が32人(45%)おり、低出生体重児の半数は栄養不良が改善していなかった。託児所設備は劣悪で5ヵ所の託児所はスタッフに保育資格がなかった。乳幼児期の成長が促進されるよう健康環境づくりが急務だが、元々母親の栄養不良、知識不足、厳しい農園労働や不衛生な住居環境など母子に必要な様々な機能が欠乏している。そのため、母子の機能(保健や教育の公的システムの享受、周産期のリスク回避、インフラ整備、一定の基本財の保障、民族差別の撤廃、女性の労働条件の改善と生活時間の調整等)の促進と拡大が望まれる。今後中央部州保健課や農園会社、NGO等と母子の健康改善について検討する機会を持つ予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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