• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

手話間の言語接触に見られるネイティビティの保持と変容の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23401022
応募区分海外学術
研究機関秋田大学

研究代表者

宮本 律子  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30200215)

研究分担者 森 壮也  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (20450463)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワード手話 / KSL / FSL / 言語接触 / 言語変容 / ASL
研究概要

ケニア手話(Kenyan Sign Language:KSL)とフィリピン手話(Filipino Sign Language:FSL)は,これまで,アメリカ手話(ASL)の亜種であるかのように扱われてきた。しかしながら,フィリピン手話に関する諸研究から の知見とケニア手話に関する我々の調査によれば,ケニア手話もフィリピン手話もASLの強い影響は見られるものの、ASLとは別の言語であることがわかっ ている。そこで,ASLとの接触によっても保持される当該言語のNativityと,影響を受けている要素とを丹念に記述する必要がある。本研究の目的は,フィリピンおよびケニアのろう者コミュニティにおける言語接触現象に注目し,手話言語同士の接触で何が起こっているかを記述することである。さらに,それが従来の社会言語学研究のフレームワークにどのように寄与できるかを探求することである。平成23・24年度においては,各フィールドの手話の統語・音韻(手話の音韻的パラメータすべてにおいて)・語彙及び語用論の諸側面の記述をおこなった。
平成25年度は、分担者は,イギリスのロンドンで開催された国際的な手話の学会,TISLR 12に参加して,フィリピンとケニアでの手話研究に役立てるため,世界の最先端の手話研究の情報を収集した。ケニアでは,4か所(西部・北東部・中央部)の手話の変種のデータ収集を進め、統語構造および音韻的特徴を分析している。アメリカ手話とケニア手話の接触の歴史的背景を、文献および聞き取り調査から明らかにし、論文にまとめた(査読中)。一方、フィリピンでは, フィリピンにおいて主として,マニラ首都圏周辺のフィリピン手話(FSL)ネィティブ・サイナーの人たちの語順に関わるデータの収集・録画を行った。これら収集したデータより,これまであまり明らかでなかったKSL(ケニア手話)FSL(フィリピン手話)の統語に関する規則の分析を現在,進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

KSLおよびFSLの変種の統語構造のデータは確実に集まりつつあり、最終年度の来年度に国際学会で成果を発表すべく、分析を進めているところである。

今後の研究の推進方策

今年度は、さらにKSLとFSLの統語構造の分析を進めるとともに、そこにどれだけのASLからの影響があるのかを考究していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ケニアのろう教育・ろうコミュニティの形成2014

    • 著者名/発表者名
      宮本律子
    • 雑誌名

      『アフリカの障害者-障害と開発の視点から』中間報告書

      巻: 1 ページ: 49-70

    • 査読あり
  • [学会発表] フィリピン手話法とその直面する壁-政治と教育に翻弄されるフィリピン 手話(FSL)

    • 著者名/発表者名
      森 壮也
    • 学会等名
      日本手話学会第39回大会報告
    • 発表場所
      鈴鹿医療科学大学 千代崎キャンパス
  • [学会発表] フィリピンの障害児教育法の現状と問題点―障害当事者が直面する諸問題 ―

    • 著者名/発表者名
      森 壮也
    • 学会等名
      国際開発学会
    • 発表場所
      大阪大学
  • [学会発表] アフリカの障害者のコミュニケーション:ケニア手話を事例に

    • 著者名/発表者名
      宮本律子
    • 学会等名
      アフリカ地域研究会第202回
    • 発表場所
      京都大学稲盛財団記念館
    • 招待講演
  • [図書] Encyclopedia of Deaf Studies and Deaf Culture2014

    • 著者名/発表者名
      Mori, Soya, Genie Gertz and Patrick Boudreault (ed.)
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      Sage References

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi