研究課題/領域番号 |
23401023
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
包 聯群 大分大学, 経済学部, 准教授 (40455861)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 継承言語 / モンゴル語 / コミュニティ言語 / 言語維持 / 言語保護 / 言語復興 / 言語政策 / 少数言語 |
研究実績の概要 |
研究実績を以下のようにまとめることができる。 ①平成25年度の調査によって得られたデータについて分析を行った。 ②国際会議やワークショップにて、モンゴル人コミュニティ言語の維持や保護・復興状況などについて発表を行った。モンゴル語の保護や復興について意見交換を行い、提言することができた。 ③泰来県のモンゴル語の語彙、文法や物語などについて録音をし、危機言語の保存に努めた。また現地コミュニティとともに言語維持の努力をし、成果が見られ始めた。④泰来県のモンゴル語の学校教育において力を入れた結果、危機であるモンゴル語の学習により、大学に進学する人が増えてきた。 ⑤学校におけるモンゴル語教育の拡大を目指し、地元の研究者や教育者と協力し、一定の成果が得られた。⑥さらにメタコミュニケーション情報も収集し、地元との連携を強化してきた。⑦第四回日中国際ワークショップ「現代中国における言語政策と言語継承―少数言語を中心に考える」という会議を主催し、イギリスや中国からも研究者が参加し、研究についての国際交流ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り研究を実施しており、概ね順調に進展していると言える。現地の調査や国際会議の開催などを実現でき、またモンゴル語教育やモンゴル語(コミュニティ言語)の保存、継承及び復興にも進展が見られた。そして、研究成果を論文掲載や口頭発表などの方法で発信できている。
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今後の研究の推進方策 |
①平成27年度に当地域で残されている問題について補充調査を行い、全体のまとめをする。 ②モンゴル語(あるいはコミュニティ言語)の維持、保護及び復興に地元のコミュニティ、教育者らが自身で努力し、次世代への言語継承が実現できるような環境を築く努力をする。 ③昨年開催された第四回日中ワークショップ「現代中国における言語政策と言語継承ー少数言語を中心に考える」の論文集を編集し、出版できるよう努める。 ④泰来県地域におけるモンゴル語教育、及びモンゴル語方言の特徴をまとめる。 ⑤本課題を少数言語の維持、保護及び復興に関する事例としてまとめ、日本及びアジアにおける当分野の研究に事例を提供したい。
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