研究課題/領域番号 |
23401025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
長崎 郁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (70401445)
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研究分担者 |
小野 智香子 千葉大学, 人文社会科学研究科, 研究員 (50466728)
永山 ゆかり 北海道大学, 文学研究科, 助教 (20419211)
大矢 一志 鶴見大学, 文学部, 准教授 (80386911)
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キーワード | 言語学 / 北東ユーラシア / 言語ドキュメンテーション / 少数民族言語 / 電子アーカイブ |
研究概要 |
本研究は、北東ユーラシアの少数民族の言語に関し、現地調査による言語情報の多角的記録(語彙、文法、多様なジャンルの語りや会話を含む談話テキスト、社会的・文化的背景の文字、音声、映像による記録)、言語データの整理・分析、コンピュータ上での保存・利用のための電子アーカイブ環境構築を目的とする。初年度である平成23年度のメンバーによる具体的成果は以下のとおり。 1 長崎は、ロシア、トムスク州での現地調査により、セリクープ語の語彙・文例を収集した。また、コリマ・ユカギール語のテキスト資料の整理・分析を進め、これに基づき、所有接辞の意味論と構文論、および、補文構造の談話上の機能に関する考察を行った。 2 小野は、ロシア、カムチャツカ地方でのイテリメン語の現地調査により、新たな語彙とテキストを音声・映像として記録した。テキストの形態素分析においては、従来の文法項目とグロスを見直しテキストの電子アーカイブ化の際の問題を整理、分析したテキスト1編を発表した。 3 永山は、ロシア、カムチャツカ地方および札幌での調査により、アリュートル語テキストの分析を行ったほか、新たな文例を収集した。文法研究に関しては、所有接辞に関する考察、および、分詞の形態と機能に関する考察を進めた。 4 大矢は、音声ファイル分割ソフトの開発を進めると共に、言語ドキュメンテーションへの計算機処理による支援可能性に関し調査・報告した。また、DocEng2011(アメリカ、Google本社)、TEIメンバーミーティング(ドイツ、ヴュルツブルク大学)、LDL2012(ドイツ、ゲーテ大学)に参加し、規格化の動向を踏査することに加え,言語データの汎用的な形式への変換手法に関する知見を深めた。 5 本年度前半と後半には研究打ち合わせ会議を開き、各メンバーの研究進捗状況の報告、資料の整理・分析に関する意見交換、今後の課題についての議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、各々のメンバーの研究については計画どおりに進めることができた。しかし、データベースシステム構築作業など、メンバー全員が連携して行わなければならない部分については、議論の段階にとどまり、実験的運用には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
各メンバーは、研究計画に従って現地調査を実施し、資料の収集にあたる。また、適切なフォーマットを念頭に置きながら収集した資料の整理・分析を進める。次年度は本年度よりも、さらにメンバー間の緊密な連携を図りながら、できるだけ早い時期にサーバーを立ち上げ、データーベースの実験的運用を行いたい。
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