研究課題/領域番号 |
23401042
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 展 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70126085)
|
研究分担者 |
重川 希志依 富士常葉大学, 環境学研究科, 教授 (10329576)
木村 周平 富士常葉大学, 環境学研究科, 准教授 (10512246)
市野澤 潤平 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (10582661)
大矢根 淳 専修大学, 人間科学部, 教授 (80281319)
山本 博之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80334308)
大谷 順子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90403930)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 自然災害 / 創造的復興 / 民族誌 / 復興支援 / 災害の人類学 |
研究概要 |
昨年に引き続き、メンバー各自が現地調査を行った。調査地域は、フィリピン(清水)、インドネシア(山本)、タイ(市野澤)、アルメニア(大矢根)などであり、それぞれの国・地域において自然災害がもたらした被害と、その後に進められた社会と経済の長期的な再建過程を観察し、インタビューなどの調査を行ってきた。加えて、研究計画時にはまったく想定していなかった東日本大震災についても、ツーリズム(山下)、記憶とアーカイブ(寺田)、広域支援と行政的な制度(重川)、地域的な多主体の連携(大矢根)、今回の高所移転と過去の津波対応との関係性(木村)など、多様な側面から研究を行うと同時に、それを、これまで長期的に行ってきた別の具体的な事例研究と比較し、今回の震災の特徴や新たな萌芽を明らかにしようとしている。これらの調査はいずれも継続中であるが、研究期間内に一定のめどをつける予定で進めている。 共同研究会は予定では2回であったが、メンバーの日程が合わず、1回行った(7月、於:京都大学)。そこでは各自の調査をふまえつつ、最終的な成果に向けて議論が深められた。その中心的な議題となったのはまさしく本課題のタイトルであり、「創造的復興」とは何か、また「復興を支援する」とはどういうことか、がそれぞれの事例に即しながら議論され、日本の既成概念を越えて問題を考えることの重要性が明確になった。 最終成果については、以上の議論をもとに、東南アジアなどの人々の事例などを参照しながら、固定化しがちな災害対応のフレームをずらす、違った視点で問題を考える手引きとなるような本を作成する、ということでまとまった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題は、あたかも東日本大震災を事前に的確に予想し、そこからの復興の過程に積極的な貢献をすることをめざしているかのようである。しかし災害の規模が大きく、また復興の速度が速いために、必ずしも実際で具体的な支援の活動をおこなえているわけではない。ただし、各自が今まで長期にわたって続けてきた、世界各地における自然災害からの創造的復興に関する調査研究を、日本との比較を意識しながら新たな視点で行うという、当初に設定した目的に関しては、おおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
メンバー各人が、世界各地のそれぞれの地域で調査研究を続けるとともに、昨年度より密に相互に連携して調査成果の共有をし、最終成果に向けて議論を進める。
|