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2011 年度 実績報告書

インド音楽・舞踊のグローバル化に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23401051
応募区分海外学術
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

寺田 吉孝  国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (00290924)

研究分担者 田森 雅一  国立民族学博物館, 外来研究員 (10592454)
キーワード芸能 / 芸術
研究概要

研究代表者・寺田吉孝はカナダとインドにおいて現地調査を実施した。カナダでは、主にオンタリオ州トロント市おいて、同市を代表する2つのインド系舞踊グループ(インダンスとチャンダム舞踊団)の活動について実態調査をおこなった。インダンスは南インドの古典舞踊バラタナーティヤムの古伝統の復活と他ジャンルとの現代的な融合を同時に推進する舞踊団であるのに対し、チャンダム舞踊団は北インドの古典舞踊カタックを専門とする舞踊団である。今年度の調査から、両グループのメンバーの大多数は、多様な経路でトロントに移住したインド系移民であり、彼らの移民体験が舞踊団への参加と深い関係を持っているだけでなく、両舞踊団の活動形態、演奏スタイルがカナダ・インドを含む複数地域間の往来の中で形成されている実態が明らかになった。インドでは、南インド音楽の中心地であるチェンナイにおいてインド在住の音楽家・舞踊家とNRI(在外インド人)間のネットワークの実態調査をおこなった。特に、在外アーティストの活動に対するインド側の反応を調査する過程で、実験的な音楽・舞踊の実践が社会変革の場の一つとなっている点を実感することができた。
研究分担者・田森雅一はインドの首都デリーおよびラジャスタン州ジャイプルで現地調査をおこなった。デリーでは、カラーシュラム・カタック学院においてインタビューと舞踊指導の実態を調査した。当学院の創設者であるビルジュ・マハラージュは、カタックのグローバル化に大きく貢献した著名舞踊家であり、彼のこれまでの活動を詳細に記録する契機を得たことは大きな収穫であった。ジャイプルでは、多ジャンルの演奏家を傘下におくコンソーシアム的芸能集団「ラジャスタン・ルーツ」の活動について調査をおこない、現地の演奏家たちを海外音楽市場に送りだすシステム・戦術について理解を深めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はプロジェクトの初年度であるため予備的調査をおこなった。この結果、カナダ、インドにおいて現地の演奏家、関係者と良好な関係を築くことができ、来年度以降の調査の基盤を作ることができた。

今後の研究の推進方策

来年度は、今年度開始した北米・インドでの現地調査を継続するとともに、多様なインド音楽の発信地の一つであるシンガポールを調査地に加え、複数地域間の交流・相互影響に焦点を当てる。また、日本におけるインド系コミュニティもその規模の拡大に伴い活発な音楽・舞踊活動を開始しているため、国内(特に東京江戸川区)においても予備的な調査を行いたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] インド音楽の近代化とマスメディア2012

    • 著者名/発表者名
      田森雅一
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究『グローバリゼーションの中で変容する南アジア芸能の人類学的研究』
    • 発表場所
      国立民族学博物館(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-06
  • [学会発表] ジプシーのインド起源説再考-南アジア北西部の音楽職能集団を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      田森雅一
    • 学会等名
      慶應義塾大学人類学研究会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-29

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公開日: 2013-06-26  

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