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世界の都市の４分の１が人口を減らし、縮小都市の社会システム研究が脚光を浴びるようになった。自動車産業で繁栄したデトロイトは20世紀後半に、脱工業化、グローバル化、郊外化のはざまで人口を半減させ、都市縮小の課題が凝縮している。広大な土地、住宅、社会資本が過剰化し、「適正な都市規模」に社会システムを転換する努力が始まった。その方向性には、＜（１）縮小は衰退ではなく、小さく再生するチャンスである、（２）税収基盤が崩壊し市財政は破綻寸前にあり、縮小／再生の取り組みは市域内の利害関係者全体の課題になっている＞の２特徴がある。基金と大学が「知」「資金」の両面で重要な役割を発揮している。本研究では、①基金／大学が推進する「都市縮小／再生のガバナンス」の構造、②それを側面支援する政府との関係性を明らかにし、③「持続可能な都市縮小」の可能性を検証して『デトロイトモデル』として提示する－－ことを研究の目的とした。
デトロイト、同様にアメリカ中西部の旧産業都市である中西部のクリーブランド、シンシナチ、ハリケーン被害後、急激な都市縮小を経験しているニューオーリンズも訪ね、縮小都市研究を深化させる現場調査を行った。また、同じモーターシティであるトリノ（イタリア）の関連資料を収集し、現地調査も試みた。次期の科研研究に問題意識を発展させるためであった。
１）論文の取りまとめをできたこと、２）出版計画に結びつけることができたこと（岩波新書2014年中に発行）－－など成果を達成するこることができた。
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