本研究は、人権基盤型アプローチ(以下、HRBAと表記)が国際協力機関の組織方針や事業の中でどのくらい採用され、どのような成果を生んでいるかを探求したものである。文献調査や現地調査の結果、(1)最近ではHRBAはさらに広くNGOの中で主流化が進んでいること、(2)効果評価の取組も進展し、HRBA採用事業の方が非採用事業よりも事業の持続可能性向上や裨益者の脆弱性改善の点で優れているとする実証研究が存在することなどを特定した。また、本研究は、日本の国際協力機関による本研究の成果利用を企図することに特徴づけられる。そのため、政府文書の執筆やフォーラムの企画・参加をとおしてHRBAの普及にも取り組んだ。
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