研究課題/領域番号 |
23402011
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
佐藤 美由紀 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (00313049)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 違憲審査制 |
研究概要 |
平成25年8月6日から同月20日にかけて、ポルトアレグレ(ブラジル)、サルタ・メンドサ(アルゼンチン)、エンカルナシオン(パラグアイ)、モンテビデオ(ウルグアイ)の研究対象4カ国を横断的に訪問し、各国また各州の違憲審査制に関する資料を収集し、法律家や関係する実務に携わる方達と面談した。 日本との往復の距離と費やす時間を考慮して、4カ国の横断方式を試みたのであるが、南米南部共同市場の対象地域は広大であり、相互の移動に多大な時間や大きな負担がかかり、その結果、滞在時間、したがって調査に費やす時間が短くなってしまった。 ブラジルの調査では、ポルトアレグレを州都とするリオグランデドスル州の、憲法分野と家族法分野において、とくに顕著な、他州と一線を画する先進的な動きにつき、司法研修施設や憲法学者宅の訪問を通じて多くを学んだ。アルゼンチンの調査では、連邦レベルの制度とは異なる州レベルの違憲審査制の形態について、ブエノスアイレスとの学問的な温度差を意識させられた。パラグアイでは先住民居留地での人権活動に触れ、首都アスンシオンと地方都市の法律家の思考様式の違いをみた。ウルグアイでは、これまでモンテビデオの旧市街を中心に活動していたが、新開発地域に足を踏み入れてみた。このうち、パラグアイの違憲審査制については、学会報告と雑誌での論文発表を行った。ブラジル、アルゼンチンの州レベルの違憲審査制については、平成26年度から平成27年度にかけて、論文発表の準備中である。「
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブラジル、アルゼンチンという南米の2大連邦制国家についての州レベルでの違憲審査制については、現在論文を作成中であり、平成26年度から平成27年度にかけて雑誌掲載できるよう準備中である。 パラグアイの違憲審査制については、雑誌掲載、学会報告を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成中の、リオグランデドスル州(ブラジル)と、アルゼンチンの州レベルの違憲審査制について、今年度ないし次年度には雑誌掲載する予定である。 4カ国横断での現地調査は、日本と対象国との往復に費やす時間をトータルでは削減したが、都市間の距離も大きく、移動に時間をとられ、各地の滞在時間が短縮されてしまったので、今年度については、2カ国づつ(ブラジル・パラグアイ、アルゼンチン・ウルグアイ、の組み合わせ)の調査として、往復時間の削減と、地域内移動の負担の軽減の両方の均衡を果たして、現地調査の充実を図りたい。
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