研究課題/領域番号 |
23402014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
新領域法学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山名 美加 関西大学, 法学部, 教授 (50368148)
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研究分担者 |
北川 勝彦 関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
SHRESTHA ManojLal 甲南大学, 経営学部, 教授 (90248097)
ROBERT Kneller 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
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キーワード | アフリカ / 生物資源 / 伝統的知識 / 利益配分 / イノベーション / 技術移転 / 環境保全 / 知的財産 |
研究概要 |
本研究は、医薬品、バイオ関連に焦点を当て、アフリカ8カ国を対象に当該国の生物資源・伝統的知識保護法制及び知敵財産制度の整備状況を把握した上で、生物資源・伝統的知識を活用した産官学連携事例の成功要因と課題を抽出することを目的とするものである。 本年度は、ケニアとエチオピアに焦点を当てた。ケニアにおいては遺伝資源の保護については、1999年に制定されたThe Environmental Management and Co-ordination Actがアクセスを規制する法制であり、資源の管理については、同法7条で設立されたNational Environment Management Authority(NEMA)が、外国の利用者に対しての使用料等の契約に関与することとなっており、ガイドライン作りは進められているものの、まだまだ大きな進展は見られない。伝統的知識については、ケニア産業省やケニア著作権局、国立博物館、文化庁が関与して、保護法制を検討中ではあるが、伝統的知識については、ケニアの文化的表現(部族の伝統的模様、衣装等)の不正な使用をどのように防止するのか(特に欧州のファンション業界)、という点に力点が置かれているのが現状である。 エチオピアにおいては、伝統的知識、文化的表現を保護する法制はまだ存在しないものの、遺伝資源については、外国企業による盗用事例もあり、2006年度に特別法が制定され(Access to Genetic Resources and Community Knowledge, Community Right Law of 2006)、資源へのアクセス、共同体の知識、利益配分についての既定が設けられた。しかしながら、どのように適切な利益配分を実現するのか等は、課題も山積である。しかしながら、両国とも、資源、伝統的知識の豊富な国であり、法制度の不十分さは課題ではあるが、活用の可能性は、実に期待できるところがあり、政府もその提供に前向きである。次年度以降も両国制度のフォローアップを行いつつ、両国関係者から提案される製品化モデルについても検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の対象となるエチオピア及びケニアについては現地調査を行い、本研究に欠かすことのできない人材とのネットワークを構築できたこと、そして、ケニアからは、専門家も招いて、関西大学において研究会(一般公開)を開催し、成果の総括を、研究会において行えたことは、評価に値すると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は昨年度、先方の都合で実現できなかったエチオピアからの専門家を招聘しての研究会(一般公開)を開催する予定である。そして、現地調査としては、本年度は、南アフリカに焦点を絞り、同国における生物資源・伝統的知識の活用状況と産官学連携の実態を調査し、分析する予定である。
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