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2014 年度 実績報告書

アフリカの生物資源・伝統的知識とイノベーションをめぐる総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23402014
研究機関関西大学

研究代表者

山名 美加  関西大学, 法学部, 教授 (50368148)

研究分担者 KNELLER RobertW  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
北川 勝彦  関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
SHRESTHA Manoj  甲南大学, 経営学部, 教授 (90248097)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワードアフリカ / 生物資源 / 伝統的知識 / 利益配分 / イノベーション / 技術移転 / 環境保全 / 知的財産
研究実績の概要

平成26年度は、本科研プロジェクトによる南アフリカ調査及びその後の南アフリカ企業からの情報収集において、栄養価が高く、種付から収穫までの期間が数か月というモリンガという植物を使っての地域活性化プロジェクトをザンビアで進めているMoringa Marvansという企業経営者を知るに至ったため、そのネットワークを活用し、天然物開発に関わるザンビア現地調査を実施した。政府機関としては、International development corporation (IDC)を訪問し、最高総括責任者らと面会し、ヒヤリングを実施した。そして、ザンビア大学においては、 法学部、生物学部において、同大学における共同研究の現状と課題を確認した。そして商業省主催の“EXPANDING RURAL AND AGRICULTURE MARKETS AMID CLIMATE CHANGE“ と称する生物資源の活用と気候変動に関わる研究会(3月2日)(於Radisson Hotel)にも参加し、参加者はもとより、商務省関係者、元最高裁判所裁判官とも面談し、同国の法整備支援の動向について意見交換を行った。さらに、関西大学において、ザンビア、タンザニア、ボツワナの専門家(それぞれ生物学、契約・国際法、起業家精神の専門家)、国連環境開発計画(UNEP)元専門官を招聘し、各国の政策面での現状の紹介を受けるとともに、イノベーションの原動力にもなる「起業家精神」の動向についても議論した。ボツワナにおけるイノベーション研究の成果、さらに「農村の起業化」を後押しすべく、南アフリカで組織化され、国立研究機関の専門官達がその整備を後押ししているNGOの実態に触れつつ、国境を越えてアフリカで動き出したイノベーションの実践化の在り方を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においては、対象国である8か国のうち、エチオピア、ケニア、南アフリカ、ザンビアを対象とする現地調査は既に実施したが、平成23年度にはケニアから専門家を招いて研究会を開催できたことで、日本の専門家との活発な意見交換、ネットワークの構築の場も設定できた。そして、平成24年度には、南アフリカの専門家(伝統的知識を体系化している南アフリカ国立研究所専門官及び伝統的医療者)を招いての研究会を開催し、同研究会においては、生物資源、伝統的知識が豊富で、それらを基にイノベーション創出を熱望し、アフリカとの関係強化を図る南アジア(インド、ネパール)の研究者とも活発議論が行えたこと、さらに、タンザニアについても同国の専門家(司法長官室に属する専門家を招いての研究会を開催し、同国の実情はもとより調査に関わるネットワーク構築の礎ができたことは、大きな進展であった。さらに、平成25年度は、研究代表者が客員教授として所属したネパールのトリブバン大学の所在するカトマンズにおいて、南アフリカ、日本、ネパールのABS及び植物資源の専門家を招いての国際シンポジウムを開催し、南アフリカの政府主導のイノベーション創出モデルの検証とともに、政府主導の政策が不十分な国にあっても、生物資源や伝統的知識をコアに外国からの投資を呼び込み、イノベーションを事業化に繋げようとする産官学連携モデルのあり方について議論ができた点は、総じて財源が不十分なアフリカ諸国におけるイノベーション創出モデルを考える上では大きな示唆を得た。そして、平成26年度は、ザンビアの現地調査を行うとともに、関西大学において、ザンビア、タンザニア、ボツワナの専門家(それぞれ生物学、契約・国際法、起業家精神の専門家)を招聘し、各国の政策面での課題とともに、イノベーションの原動力にもなる「起業家精神」の動向についても議論ができたことは大きな意義があった。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、エジプト、チュニジアの調査を行うとともに、タンザニア、ボツワナの現状については、昨年度専門家を日本に招聘し、関西大学において研究会を開催して情報提供を受けているが、その現状確認とさらなる情報収集をかねて現地調査を行う予定である。さらに、平成27年7月31日ー8月1日には、関西大学千里山キャンパス百周年記念会館において、これまでの研究成果の取りまとめ兼ねた国際シンポジウムを開催し、南アフリカからの専門家を交えて「アフリカにおける生物資源・伝統的知識とイノベーション」の総括を行い、それらの成果を論文としてまとめる予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (7件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 南アフリカのイギリス人プラント・ハンターたち2015

    • 著者名/発表者名
      北川勝彦
    • 雑誌名

      放送大学教材 ヨーロッパの歴史II

      巻: 3058 ページ: 105-124

  • [雑誌論文] The Relationship between Japan and South Africa before World War II2014

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Kitagawa
    • 雑誌名

      Kansai University Review of Economics

      巻: 16 ページ: 31-57

  • [雑誌論文] 「サハラ以南アフリカにおける国家と経済の建設の課題―植民地支配と脱植民地化の歴史的考察―」2014

    • 著者名/発表者名
      北川勝彦
    • 雑誌名

      関西大学東西文化研究所 個人・民族・国家(個人・民族・国家に関する多角的比較研究)研究班報告書

      巻: 1 ページ: 25-56

  • [雑誌論文] 第二次世界大戦後の日本-アフリカ関係史―1950年代と1960年代を中心にして―2014

    • 著者名/発表者名
      北川勝彦
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 7 ページ: 60ー71

  • [雑誌論文] Industry-university collaborations in Canada, Japan, the UK and USA - with emphasis on publication freedom and managing the intellectual property lock-up problem2014

    • 著者名/発表者名
      Robert Kneller
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 (3) ページ: 1-19

  • [雑誌論文] 南アフリカにおける科学技術政策とイノベーション2014

    • 著者名/発表者名
      Manoj Shrestha
    • 雑誌名

      甲南経営研究

      巻: 55-1 ページ: 23-40

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 日本企業のBOPビジネスとアフリカー「援助対象」から「ビジネスパートナー」へ2014

    • 著者名/発表者名
      Manoj Shrestha
    • 雑誌名

      甲南経営研究

      巻: 55-2 ページ: 23-38

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] ”Retrospective on Japan-Africa Relations in the Cold-War Period”2014

    • 著者名/発表者名
      北川勝彦
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第51回学術大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2014-05-24
    • 招待講演
  • [図書] ミネルヴァ書房2014

    • 著者名/発表者名
      北川勝彦・高橋基樹編
    • 総ページ数
      408
    • 出版者
      『現代アフリカ経済論』(シリーズ「現代の世界経済8」

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公開日: 2016-06-10  

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