研究課題/領域番号 |
23402019
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小川 有美 立教大学, 法学部, 教授 (70241932)
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研究分担者 |
松尾 秀哉 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (50453452)
仙石 学 西南学院大学, 法学部, 教授 (30289508)
伊藤 武 専修大学, 法学部, 准教授 (70302784)
中田 晋自 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (60363909)
若松 邦弘 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 准教授 (90302835)
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キーワード | EU / マルチレベル・ガバナンス / 民主主義 / ユーロ危機 |
研究概要 |
本研究は、リスボン条約前後のEUにおいてマルチレベル・ガバナンス(MLG)化は強化されているか、それとも機能不全が表われているか。さらに、MLG化の下で各国・各地域の民主的構造はどのように変容しているか、を有識者などへのアンケート調査を通じて分析、検討するものである。 初年度である当該年度は、ユーロ危機が長期化するなかで、まずは個々の各国研究、調査を進めることに主眼をおき、それを通じて適切なアンケート項目を検討した。 2011年7月には、研究協力者であるディミトリ・ヴァンオーヴェルベケ(ベルギー・ルーヴェンカトリック大学)教授、他に9月にはグラント・ジョーダン(イギリス・アバディーン大学)教授、2012年3月には、フェルナンド・バイェスピン(スペイン・マドリード自治大学)教授を研究会に招き、ヨーロッパと地域対立により政治空白が続いていたベルギーの現状について講義いただきマルチレベル化する民主政治について議論すると同時に、今後の調査方法について検討会を開いた。アンケート項目については、上記検討会後、主に小川(代表者)、伊藤(南欧)、中田(フランス)、若松(イギリス)、松尾(ベルギー)が中心となって夏に現地調査を行った。その後、これらの意見を野田(ドイツ)、仙石(東欧)が推敲し、臼井、松尾、小川で取りまとめて、原案を作成した。 本年度は特にユーロ危機が長期化し、予想を超えて研究対象であるヨーロッパ政治の動揺がみられた。そのため状況の見極めを慎重に検討し、議論することを余儀なくされた。よって、各種研究会を企画するとともに、ネットで情報を交換して各国とEUの政治変動の全体像について日々認識を更新した。こうしたヨーロッパの状況の調査、分析を生かして、代表者、分担者各人は本研究の成果を反映する新聞・総合雑誌への寄稿、インタビューも数多く行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
代表者、各分担者はその研究分担にしたがって海外調査を含む作業を着実に進め、複数の実績を公表している。一方研究対象である欧州におけるユーロ危機の進行により、最新の状況の変化を政治、経済、行政、世論など多岐にわたり再調査する必要が生じたため、また、震災、計画停電などで各所属校の足並みが揃わず、研究のスタートが遅れたため、やや進捗を遅らせた部分がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象であるEUをゆるがすほど現在のユーロ危機が複雑な状況を呈しているので、アンケート調査の構成上の修正が必要となり、最終ヴァージョンで再構成する予定。さらに各国毎の政治的変動の文脈的な要素を比較分析にとりいれるために、インタビュー、内容分析などの調査もより厚みをもったものとする必要があり、それらについての文献、インターネット、現地調査による情報収集を強化する。
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