本研究の目的は、グローバル化の中で変容しつつある南アジアの農村で、マイクロファイナンスがどのような可能性と課題をもつかを検証することである。研究期間中、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、インドの農村地帯で調査を実施し、グローバリゼーションの影響がどのように農村に浸透しており、人々の金融サービスに対する需要やアクセスにどう影響を及ぼしているかを把握した。農村から海外への労働移動が顕著であり、それが農村金融に影響を与えていることや、グローバルなIT技術の発展やマイクロファイナンス産業自体のグローバル化が新しいタイプの金融サービスを生む一方、法規制が追いついていない現状を明らかにした。
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