研究課題/領域番号 |
23402024
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
李 海峰 山口大学, 経済学部, 教授 (00346545)
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研究分担者 |
藤原 貞雄 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (10034878)
米谷 雅之 広島経済大学, 経済学部, 教授 (50034864)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 大衆消費社会 / 都市・農村実態調査 / 消費者意識行動の分析 |
研究概要 |
本研究は、中国における社会主義市場経済の発展過程において、社会経済、消費市場がどのように変動しているか、大衆消費社会がどのように形成されているか等について、経済環境が大きく異なる地域、都市・農村で消費者の生活や意識行動の調査を行い、大衆消費社会の成立プロセスを解明するための3年間の研究である。 今年度は日中両国の「領土問題」による政治社会環境の影響で、当初の研究計画のとおりに、調査実施は行うことができなかった。しかし調査実施方法を変更し、地方政府の公表した統計データや文献、それにアメリカの大學の研究者たちの行った実態調査のデータを閲覧収集できた。また初年度に経済力水準の異なる都市・農村地域において、調査回収したデータの本格的な解析作業を行った。同時に、幾つかの研究論文をまとめることができた。これらの研究成果は、人民大学の「都市公共管理と農村開発の研究会」、南開大學国際経済研究所の「東アジア諸国地域の経済経営の研究会」、山口大学大学院経済学研究科の主催「国際市場におけるアジア企業の動向と展望」(研究代表者が企画、実行委員長に務める)、日中共同開催シンポジューム「中国と日本の消費者行動と消費市場の国際比較研究会」(中国の北京大学、人民大学と中国・中央財政経済大学、湖北経済学院など共同開催)、日本消費者教育学会、山口大学の東亜経済学会誌「東亜経済研究」、広島経済大學の「経済学研究紀要」、それに本研究グループの定例研究会「中国大衆消費社会研究会」を開催し、公開発表している。日本国内外での研究成果の公表は、本研究分野における基礎的な研究を理論的に実証的に前進させていることは大きな意義がある。現在、これまでの調査データの統計処理、分析を続けていると同時に、来年度の具体的な調査実施、統計分析の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、中国における社会主義市場経済の発展過程において、社会経済、消費市場がどのように変動しているか、大衆消費社会がどのように形成されているか等について、経済環境が大きく異なる地域、都市・農村で消費者の生活や意識行動の調査を行い、大衆消費社会の成立プロセスを解明する目的に達成するのに、今年度の研究は前進している。当初設定した今年度の研究計画は日中両国の「領土問題」による政治社会環境の影響に左右されながらも、調査実施方法を変更し、地方政府の公表した統計データや文献を活用し、またアメリカの大學の研究者たちの行った実態調査のデータを閲覧収集できたことによって、初年度に経済力水準の異なる都市・農村地域において、調査回収したデータの分析結果と比較することはでき、時系列の分析と同時に比較研究も進めることができた。中国の社会主義市場経済発展過程における消費者意識行動の変化メカニズムの解析、そしてどのように大衆消費社会が形成されているのか、その解明は前進しているので、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで実施した調査データの統計処理、分析を続けると同時に、来年度の具体的な調査実施、統計分析の準備を進めている。次年度は、引き続き研究計画のとおりに、中国の人民大学や清華大学などの研究機関の教授や専門家たちと綿密に検討しながら、彼らの協力のもと、経済力水準の異なる都市・農村地域において、2013年8月から2014年2月まで調査を実施する。中国の経済水準の異なる都市・農村地域における時系列研究のアンケート調査の実施とともに、消費者意識行動の国際比較もできるように日本や欧米諸国での調査内容も追加したアンケートを設計し、調査を実施することにした。これらの都市・農村地域での調査データを集計し、本格的な解析作業を続ける同時に、研究論文をまとめ、国内外の研究会や専門誌に公表する予定である。中国の民間自動車保有台数は2012年に1億2千万台を越え、米国に次ぐ自動車大国になった。マイカーは大衆消費社会のシンボルであり、中国のモータリゼーションの調査研究は、本研究に欠かせない要素であり、本年度はその成果を日中共同研究会等で発表すると共に学術誌にも掲載の予定である。
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