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2011 年度 実績報告書

発展途上国・新興国における知的財産権保護戦略の経済学的調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 23402027
研究機関早稲田大学

研究代表者

土門 晃二  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00264995)

キーワード産業組織論 / 知的財産法
研究概要

本研究の初年度の目的は、知的財産権侵害が最も多いといわれるベトナムと中国でのフィールドワークを通して、その実態を把握することにある。ただし、科学研究費の追加採択により、実質的な研究開始時期は12月であり、調査項目は主に自動車とバイクの模倣部品に限定された(一部中国では、ブランド模倣品の調査も実施)。
調査は、国内研究連携者2人(同志社大学:河嶋伸子、東北大学:馬奈木俊介)と海外研究協力者3人(イタリア:Giovanni Battista Ramello、米国:Michael Y. Yuan、ベトナム:Tran Dinh Lam)とともに実施された。調査方法は、現地の市場調査(模倣品のチェック、店舗でのインタビュー)と、利害関係者との会議(JETRO北京事務所知財部との会議、昆明の自動車部品協会メンバーとの会議、上海海洋大学での学生・教員との懇談、ホーチミン国立大学での弁護士、メーカー、政府関係機関とのワークショップ)である。
調査結果の概要は、以下の通りである。ベトナムの模倣品部品の調査は、違法行為の巧妙さ、模倣部品による人身事故被害者による取り締まり強化への声、規制当局の取り締まり実態の概要が明らかになった。現状では、安い模倣部品の需要が大きく、主に中国から入ってくる模倣部品は、すぐに壊れることは分かっていても貧困層による需要ある。中国主要都市では、外国人の行く市場での取り締まりの強化で、ブランド品の模倣品を目にすることは少なくなった。また、模倣部品(バイク・車)を効果的に締め出すために、地方政府が正規品ステッカーを作成し、正規品を扱っている業者だけの卸売市場を作って工夫を行っている。しかしながら、現地住民の使う市場ではブランド模倣品は多くまたデーラーで話を聞くと、模倣部品・違法部品の流通は、一般的であり、取り締まりの効果はあまりみられない状況にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

知的財産侵害の激しい中国とベトナムで一次調査を実施することができ、その中で、ユーザーと供給者の動向、及び規制実態の概要を知ることができた。それらをもとに、今後の詳細な調査の準備ができた。

今後の研究の推進方策

昨年度同様の調査を実施し、対象地域を拡大していくとともに、より詳細な調査を行っていく。アジア地域での調査と共に、海外投資に伴う日本国内企業の知的財産権保護戦略についても調査を行う予定である。さらに、東南アジア地域でコンファレンスを開催し、アジア地域の研究者と意見交換を行い、知的財産権とこれら地域での産業育成の開係について考察を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Indefinitely Renewable Copyright and the Current Copyright System : A Two Country Setting Comparison2011

    • 著者名/発表者名
      Michal Y.Yuan, Koji Domon
    • 雑誌名

      Review of Economic Research on Copyright Issues

      巻: Vol.8, No.2 ページ: 35-54

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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