研究課題/領域番号 |
23402032
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
山野 峰 政策研究大学院大学, 政策研究科, 客員教授 (80377142)
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研究分担者 |
松本 朋哉 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80420305)
真野 裕吉 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (40467064)
鈴木 綾 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (20537138)
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キーワード | 経済政策 / ミクロ経済分析 / アフリカ / 産業発展 / 貧困削減 |
研究概要 |
近年、発展途上国における貧困削減の手段のひとつとして、付加価値の高い野菜や果物、花卉などの園芸産業が果たす雇用創出や外貨獲得などの役割に期待が集まっている。本研究は、その事例としてケニアとエチオピアの切り花産業を取り上げ、発展の背景やその障壁などを探ることを目的とする。 研究初年度である平成23年度は、ケニアにおける同産業の概要の把握、また必要なデータ収集を主に行った。具体的には、零細農家310軒と大規模農園を経営する輸出企業約70社に対するインタビューを行い、同時に、各企業の過去数年にわたる輸出データを政府機関より入手した。平成23年8月に現地を訪れ調査を開始したが、企業調査に関しては、現地のKenya Flower Council(KFC)という業界団体、またHorticultural Crops Development Authority(HCDA)という政府団体の協力を得て質問票を各企業に配布し、電話でフォローアップして後日質問票を回収するという方式でデータ入手を試みた。しかし、残念なことに回答数がかなり低かったため、再度質問票を練り直し、平成24年2月に再度現地調査を行い、研究分担者が直接企業を訪れインタビューを行った。また、零細農家への家計調査においても、質問内容が詳細かつ広範囲にわたったため、二回(平成23年8-9月、平成24年1-2月)に分けてインタビューを行うこととなった。調査にかかる費用や時間は増加した一方、長時間にわたるインタビューを回避したことでデータの質はより良くなったと考える。 ケニアの切り花産業に関するレポートは多く存在するが、学術的に丁寧に分析した論文は希少であるため、今回集められたデータは非常に貴重である。特に切り花生産をする零細農家に関する情報は少ないため、HCDAからも今回のデータに基づく分析に期待の声が寄せられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、本研究初年度にケニアにおける調査を実施できたことから、おおむね順調に進展していると考えてよいだろう。当初計画では一回で行う予定だった調査が二回に渡ることとなったが、第二回目の調査も当該年度内に実施することができたため、進捗には影響しなかった。現在、収集したデータを分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、第一に、前年度ケニアで収集したデータ分析を進め、記述統計をまとめたレポートを作成する。第二に、分析結果を現地のステークホルダーと共有するためのワークショップを現地で開催する。第三に、分析結果を学術論文にまとめ、タイミングによっては、海外での学術会議での報告を目指す。第四に、エチオピアでの切り花産業調査の準備を行い、夏をめどに調査を実施する予定である。
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