研究課題/領域番号 |
23402033
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
大村 真樹子 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80397835)
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研究分担者 |
櫻井 武司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40343769)
小林 潤 長崎大学, 国際健康開発研究科, 准教授 (70225514)
橘 永久 千葉大学, 法経学部, 教授 (70301017)
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キーワード | 経済発展 / 保健衛生教育 / フィールド実験 / 途上国 / RCI/RCT / バングラデシュ |
研究概要 |
本研究は、保健衛生教育が人々の意識・行動様式及び健康に与える影響を、無作為化比較介入(RCI)研究にもとづくフィールド実験で検証し、より有効かつ効率的な教育手段及び、「自身の健康に対する低投資」に対する解決の糸口を見出すことを目的とする。本研究の保健衛生教育RCIは、バングラデシュの農村部において、著名な国際NGO組織Save the Children International(SC)との連携のもと実施される。本年度は実施計画に基づき、以下の成果を達成した。 (1)技能習得型の保健衛生教育用補助教材をバングラデシュBRACコンサルタントと開発 (2)介入プロジェクトの業務委託契約をSave the Children Internationalと締結 (3)ベースライン調査質問票を作成・翻訳 (4)調査機関とベースライン調査業務委託契約を交わし、研究代表者による調査員訓練(調査方法、対象者無作為抽出方法、身体測定方法)、パイロット調査、調査質問票の改訂を経て、無作為抽出された小学校180校、7200児童、2160児童世帯に対して調査(2.5か月間)を実施・データを収集(データはスキャン保存) (5)データクリーニング(矛盾データ等の確認)及びデータ整理 (6)ベースライン調査データを解析し、調査対象校を層化分類したうえで、対象郡及び非対照群の学校を決定 (7)バングラデシュ関連官公庁及び、対象郡、対象小学校の承認を獲得し、プロジェクトを開始 (8)研究代表者が、教材開発したコンサルタント2名及びSC担当者と共に、プロジェクトタッフ(プロジェクトリーダー、事務員、フィールドスタッフ10名、準教員18名)に対し、技能習得型の保健衛生教育訓練を実施 (9)介入研究実施計画及び予算の改訂:教育方法、モニタリング計画・調達物品の決定 (10)介入対象小学校における保健衛生教育の開始 (11)現在、メール及び定期的スカイプ会議を通じ、プロジェクト実施のモニタリングを継続
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入プロジェクト開始にあたり、バングラデシュ関連官公庁(特にNGO Affairs Bureau)の許可が必須で、2011年7月の許可獲得を目指してSCと共に準備をしていたが、SCの国際的組織改革もあり、許可の獲得が11月にずれ込んだ。結果、11月に開始する予定のプロジェクトが、2012年1月にずれ込んだ。結果的に、保健衛生教育介入も2か月遅れでの2012年3月に開始することとなった。また、ベースライン調査(2011年9月~12月)も休校などにより、予定より1か月長引いた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、無作為化比較介入(RCI)にもとづくフィールド実験を通して、技能習得型保健衛生教育の有効性を検証するため、介入開始の遅れによる介入期間の短縮は、プロジェクト有効性の検出確率を下げる恐れがあると考えられる。従って、研究代表者は引き続き、他の助成申請を行い、介入プロジェクト延長の可能性を探る。他の助成金が得られた場合には、当初計画されている、今年度末のエンドライン調査が最長1年間延期される可能性がある。他の助成金が獲得できない場合は、予定通り2012年12月の介入プロジェクト終了後にエンドライン調査を実施する。
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