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2013 年度 実績報告書

金融市場危機下のドイツにおける「雇用の奇跡」の社会構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 23402035
応募区分海外学術
研究機関鹿児島県立短期大学

研究代表者

朝日 吉太郎  鹿児島県立短期大学, 商経学科, 教授 (70270155)

研究分担者 西原 誠司  鹿児島国際大学短期大学部, 情報文化学科, 教授 (00198491)
野村 俊郎  鹿児島県立短期大学, 商経学科, 教授 (00218364)
竹内 宏  鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10197270)
杉本 通百則  立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (40454508)
霜田 博史  高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50437703)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード金融市場危機 / ユーロ / TARGET2 / ドイツ労使関係 / ハルツ改革 / 労働市場 / 移民統合 / EU
研究概要

今年度の研究成果は、以下の通りである。
(1)ドイツの雇用回復の最大の社会的背景は、共通通貨ユーロを媒介としてドイツ経済の一人勝ち体制が構造的に進められていた帰結である。ユーロ導入はドイツ緒貿易黒字を永遠化するものとして作用するが、リーマンショック後、TARGET2の機能による貿易決済不安の解消とともに、再びドイツ経済の一人勝ちが安定化して、急速な雇用回復の原動力となった。(2)ドイツ企業の国際競争力はドイツの一人勝ちのための前提であるが、この生産力格差の形成に寄与したのが労賃の抑制であった。労賃抑制は、21世紀初頭の社会保障改革(ハルツ改革)による失業補助・社会補助の弱体化、協約賃金制度がカバーしない事業数の増大などで促進された。拡大EUに向けた労働力移動の国際化と外国人労働力の導入もその手段となり、その中で、縁辺労働市場を中心に雇用の非典型化が進み、雇用の不安定化と労働コスト抑制が進んだ。(時間外労働などにみられる「日本化」というべき状況が広がりつつあり、最低賃金制など法的手段を媒介とする規制の必要性が高まった。)(3)競争条件の均一化を理由にEUによるヨーロッパ・スタンダード作りが、高賃金・髙社会福祉国の賃金抑制手段として利用されており、この下で市民運動や労働運動の抑制と反転攻勢とがせめぎ合う関係を必然化することが分かった。(4)研究の理論面では、危機論を批判する理論分析、社会的ヨーロッパ論の背景にあるオルド自由主義に関する認識、EUの収奪機関としての機能への認識が進み、現在のヨーロッパは、統合に向かってのコンフリクトを形成しつつも、いわゆるヨーロッパ分裂の危機などは存在しないことが分かった。(5)共同著作「ヨーロッパと日本の支店からのグローバル化の諸問題」がドイツ語で出版された。また、平成26年度に日本語版での著作『欧州グローバル化の新ステージ』の出版を計画している。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 紹介 消えつつある傷つきやすい人々の声 „刑事免責“の4年間  東トルキスタンにおける市民の強制失踪2013

    • 著者名/発表者名
      西原誠司、クディロク・カディル
    • 雑誌名

      『鹿児島国際大学短期大学部研究紀要』

      巻: 第87号 ページ: 57-105

  • [雑誌論文] 限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり2013

    • 著者名/発表者名
      田中きよむ・水谷利亮・玉里恵美子・霜田博史
    • 雑誌名

      高知論叢

      巻: 第108号 ページ: 77-112

  • [雑誌論文] トヨタの新興国車IMVにおける組織ルーチンの進化2013

    • 著者名/発表者名
      野村俊郎
    • 雑誌名

      日本金型工業会『金型』

      巻: No.154 ページ: 16-21

  • [図書] 欧州グローバル化の新ステージ2014

    • 著者名/発表者名
      朝日吉太郎編著
    • 総ページ数
      250(予定)
    • 出版者
      文理閣
  • [図書] トヨタの新興国車IMVの設計,製造,調達~組織構造の変化とルーチンの変異~2014

    • 著者名/発表者名
      野村俊郎
    • 総ページ数
      300(予定)
    • 出版者
      名古屋大学出版会
  • [図書] Probleme der Globalisierung aus europäischer und japanischer Perspektive2013

    • 著者名/発表者名
      Jürgen Keßler & Ekkehard Sachse (Hrsg.)
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      Verlag Dr, Kovač

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公開日: 2015-05-28  

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