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2012 年度 実績報告書

組織間関係論の国際実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23402037
応募区分海外学術
研究機関一橋大学

研究代表者

西口 敏宏  一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (20270928)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード経営学 / 経済理論 / 社会学
研究概要

本研究は、国際発展の目覚ましい新興華人による組織間関係の事例を比較分析し、その企業家活動の形成と発展のメカニズムを実証的に検証し、最新の知見を得ることによって、組織間関係論のフロンティアを探ろうとする試みである。近年、米国を中心に数理モデルを用いたネットワーク研究が進展したが、シミュレーションや共著者データ等に依拠したネットワークのマクロ構造分析が主であった。本研究は、そうした既存研究を経営学的視点から見直し、属性の異なる個人や組織同士の連携がいかなる構造変化を生み、いかに機能する時に成功につながるのか、そのミクロメカニズムを実証的に探究する。最新のネットワーク論の知見を組織間関係論の視座に織り込み、組織間の戦略策定や意思決定に理論的・実践的な知見を提供することを企図する。
上述の方針に従い、平成24年度は、改革開放後、中国から先進国への移民増加を背景に、欧州等の中国系新移民に関する研究(Benton and Pieke 1998; 王 2000; Pal 2007)が活性化し、民族誌的な記述や、既存の中国系コミュニティーや現地社会への影響の調査分析が増加していることに鑑み、こうした先行文献の知見を視座に入れ、先述の枠組みに依拠しながら、彼らの組織間関係の論理と機能を深掘りして実証的に探った。
さらに、来たるべき学術出版への準備作業の一環として、最新のネットワーク理論とソーシャル・キャピタルの枠組みを援用し、温州人企業家のネットワーク戦略とコミュニティーの動向を、本格的なクラスター分析によって洗い出し、ワーキングペーパーにまとめ上げた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各個人のヒューマンキャピタルの指標では、特に傑出した属性を示さない温州人が、異国の地で短期間に企業家として成功し国内外のビジネスで繁栄しているのは、相当部分で、彼らの間で共有される部厚いソーシャルキャピタルに依存する人的ネットワークの構造特性、および、相補的に機能する組織間関係のあり方に依拠すると考えられる。そうした特徴的なメカニズムを、最新のオリジナルデータによって実証的に明らかにすることが、本研究の目的であり、平成24年度における研究対象の組織間関係の論理と機能をさらに深掘りする実証研究は、従来の印象論的な報告記の類を超えて、研究目的に沿う独自データを発掘し、体系的に分析し直すために役立てられよう。

今後の研究の推進方策

平成24年度の成果に基づき、これまでに蓄積されたフィールド調査データに依拠するさらなるワーキングペーパー等を発表し、将来への出版準備を進めるとともに、対象となる組織間関係の形成や構造、機能を、欧州に次いで温州人企業家の人口が多いとされる北米におけるフィールド調査を鋭意実施しながら、より詳細に深掘りし分析してゆく。なお、海外訪問先は研究計画調書や交付申請書等に記載された内容に沿って進める予定であるが、途中、紹介先や研究上等の都合によって、適宜、順序を入れ替えたり、追加、変更等を行うことも視野に入れる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 温州人企業家のネットワーク戦略とコミュニティー―クラスター分析による類型化2013

    • 著者名/発表者名
      西口敏宏・辻田素子
    • 雑誌名

      一橋大学イノベーション研究センター・ワーキングペーパー

      巻: WP#13-09 ページ: 1-58

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公開日: 2014-07-24  

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