研究課題/領域番号 |
23402044
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
秋庭 裕 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (40222533)
|
研究分担者 |
川端 亮 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00214677)
稲場 圭信 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (30362750)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | SGI-ITALIA / SGI-UK / 日本型新宗教 / (宗教受容の)2段階仮説 / イタリア / イギリス / 創価学会 |
研究概要 |
平成24年度は、5ヵ年計画の本調査研究の2年次であった。年度当初の計画通り、9月にイタリアにおいてミラノとローマにおいて、また12月にイギリスのロンドンとオックスフォードにおいて実査を行った。 イタリア調査は、前年度の2月についで2度目の実施であった。SGI-ITALIAはヨーロッパのSGIで最大規模の6万2千人の会員を擁しているが、その発展にいくつかの節目があったことが確かめられた。それは、平成22年度までに実施したSGI-USAの調査において見出した、日本型新宗教の現地化における「2段階仮説」が、イタリアにおいてもかなりの程度妥当するということである。 この「2段階仮説」は、昨年度に実施したSGI-UKの場合においても同様のプロセスが存在したことが確かめられている。今年度はイギリス調査において、その資料を蓄積することに努めた。イギリスは近年では1万2千人の会員を数えるが、その伸びは近年急伸している。その理由は、まだ推測にとどまるが、2段階仮説の2段階目のフェイズが安定してきたことを示していると考えられるだろう。 2段階仮説とは何か簡略に示せば、それは、最初に日本型新宗教が日本文化や日本的な価値や規範と混然一体となって持ち込まれ、それがある程度現地の人々に受容された後、日本「文化」と区別された日本「宗教」が根を下ろすというプロセスとして理解される。したがって、当該地域ごとの社会的文化的特色や問題との接触の仕方と内容によって、元は同一の創価学会・SGIの教えが、多用な展開を見せるのである。そして、当然そこには共通点と相違点が存在し、それらが非常に重要であり、かつ興味深い。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、年度当初の計画通り、イタリア調査・イギリス調査も順調であった。ただ、イタリアはSGIの浸透において地域的な差異が大きいので、これらのバリエーションを十分にカバーするためには今後とも調査の継続の必要がある。 イギリスについては、今後の論文執筆のためにSGI-UKのこれまでの文書資料が不可欠であるが、SGI-UKには整備されたライブラリーが今はまだ無いので、それをどのように補うかかが今後の課題である。
|
今後の研究の推進方策 |
現時点では、概ねは当初申請の研究計画調書に記したところにしたがって、実査・分析・報告書および論文執筆を進めることができると考えている。 ただし、昨今の為替レートの変動などによって、今後航空運賃や旅行代金が急騰するようなことが生じれば、今年度以降の実査は当初の計画を見なおす必要が生じるかもしれない。
|