研究課題/領域番号 |
23402046
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
坪内 暁子 順天堂大学, 医学部, 助教 (10398662)
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研究分担者 |
奈良 武司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40276473)
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
内藤 俊夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10365570)
加藤 聖子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10253527)
重松 美加 国立感染研究所, 感染症情報センター, 主任研究員 (20299598)
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キーワード | 感染症教育 / 輸入感染症 / HIV/AIDS / 日和見感染症 / 原虫疾患 |
研究概要 |
23年度は、特に東アジアで急増中のHIV/AIDSに関して、中学生に向けて基礎知識・行動・文化の特徴を把握する調査を実施するスタートさせる計画であったが、調査の前に、drugによる感染が広がった台湾の対策等を感染症専門病院である台北市の和平医院や台北医学大学附属病院を視察し討議を行った。その上で、11月に台湾と日本双方で、性感染症罹患率が高まる大学生に向けてアンケートによる予備調査を実施した。その結果、1)医学系大学生であっても感染経路等や国内での被害の状況を正確に把握していないこと、また、2)恐怖心やイメージが先行して古い情報をそのまま鵜呑みにしている可能性が予想されること、3)台湾の調査では感染症対策の学習の機会の多い公衆衛生学科の学生のほうが、医学生よりも正しく理解していること等がわかった。 他方、日和見感染症との関係については、HIV感染者は喫煙率が高く、喫煙歴をもつHIV感染者は日和見感染症やART治療中の合併症、さらにAIDS以外の疾患合併も多いことが示されていることから、日本のHIV感染者を対象に、HIV感染症と脂質代謝異常・喫煙の関係について調査を実施した。その結果、HIV感染症の病期進行とともに、脂質異常症も悪化する事が判明し、喫煙がHIV感染症、代謝系合併症への増悪因子であることが明らかになった。これによりHIV感染者診療における禁煙指導の重要性が示唆された。今後のHIV/AIDS教育の内容を決定する際に参考にしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
震災並びに原発の影響で、国際比較研究の核となる国内外での調査並びに研究打合せを実施することが困難であったこと等の理由から、調査対象の変更(中学生ではなく大学生)と予備調査を実施時期の遅れが予備なくされたが、その間に、文化やHIV/AIDSの被害状況の異なる国(スワジランドほか)で調査ができるように話を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の国際比較調査は、有効な教育手法の候補としてKEEPAD Japanの教育機器(Turning Point RF)を用いる以外に、知識の修得度を測れるような形で教育材料作成等を検討し、日本、台湾、スワジランド、サントメ・プリンシペ等で、同じスタイルでアンケート調査を実施する。 また、HIV/AIDS患者への日和見感染症保有率をみる目的で、ワットマンのFTAカード等によるサンプル採取を行うなどして別調査を実施することを検討している。(どの場合も倫理委員会の審査後に実施する。)
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