• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

失業者への心理的援助プログラムの開発と効果評価-海外の実践に日本文化を融合して

研究課題

研究課題/領域番号 23402057
研究種目

基盤研究(B)

応募区分海外学術
研究分野 臨床心理学
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 美保  東京大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (10549281)

キーワード失業 / 心理的援助 / 国際比較研究
研究概要

本研究の初年度にあたる平成23年度は、海外における失業者に対する心理的援助のフィールドワーク調査と失業者へのスティグマ調査研究を中心に行った。
1.海外における失業者に対する心理的援助のフィールドワーク
海外のフィールド調査研究として、オーストラリア、イギリスでのフィールドワークを行った。オーストラリアではGriffith大学のPeter Creed教授を訪問するとともに、現地の再就職支援会社やEAPを訪問し、研究だけでなく臨床的なサポート体制について現地での実情を把握した。さらに、歴史的にも失業の町として世界的にも有名なイギリスのSheffieldを訪問し、現地のSheffield大学のGraham Turpin教授、Gillian Hardy教授と交流を行った。また、Sheffield UniversityのWork Instituteの教員とミーティングを行い、UKにおける失業研究の歴史と最前線について議論した。これらの研究を受けて、失業者に対する援助の一環として、インターネットを支援の一助とする方向性について検討した。
また、来日したU.K.のExter大学のEugene Mullan教授と交流し、第3世代の認知行動療法やうつに対する治療について情報交換を行った。それらの知見を元に、失業者支援の一つとして、マインドフルネスについてのレビュー調査を行い、紀要に執筆した。
2,失業者のメンタルヘルスとスティグマ、失業者の生活に関する国際比較研究
かねてより進めてきた失業者に対するスティグマ尺度を完成させたことを受け、その尺度を用いて、失業者に対するスティグマと、失業生活の状況とメンタルヘルスについて、大規模なインターネット調査を実施した。なお、失業生活の状況については、Griffith大学の研究者が開発した就労の機能尺度の日本語版を作成し、その翻訳版の標準化を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初はイギリス、オーストラリア、中国への訪問を検討していたが、オーストラリアに訪問した段階で、失業者への心理的援助については社会システムの違いが大きく影縛していることが明らかとなった.また、学会発表で韓国を訪問した際に、アジア圏では失業研究が十分進んでいないことが明らかになった。そのため、中国での現地鯛査は昨年度は差し控えることとし、イギリス、オーストラリアのみ訪問した。それ以外は、概ね当初の予定通り、計画を推進している。

今後の研究の推進方策

海外のフィールド調査研究では、今年度は、アメリカのMichigan大学の失業研究グループ、オーストラリアのUniversity of South Australia大学の国際的な失業研究者の訪問を試み、フィールド調査を行う予定で、現在臼程嗣整中である。また、失業者のメンタルヘルスとスティグマ・失業者の生活に関する国際比較研究については、昨年度実施したインターネット鯛査研究の分析を進めるとともに、海外との比較調査研究を実施する。支援ツールの開発研究としては、失業者支援において有効と考えられる海外の心理療法や治療的アプローチの研究をさらに推進するとともに、そのアプローチ方法自体の開発としてインターネットを用いた知見の公開や、援助の情報提供及び調査研究を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] マインドフルネス研究の現状と展望-臨床実践に生かすために2012

    • 著者名/発表者名
      李健實・鈴田純子・高橋美保
    • 雑誌名

      東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース紀要

      巻: 35 ページ: 181-190

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi