研究課題
本研究課題は、トリスタン・ダ・クーニャホットスポット周辺海域における海底電磁気観測、取得したデータの解析および成果公表を、平成23年度からの4年間で行う計画である。海底電位磁力計(OBEM)の設置航海は、平成24年1月17日から2月16日にかけて、ドイツの大型研究船R/V Maria S. Merianを用いて行った。地震研究所からは8台のOBEMを持ち出し、IFM-GEOMARと合わせて26観測点を敷設した。またナイチンゲール島にも陸上観測点を1点敷設した。回収航海は、再びR/V Maria S. Merianを用いて、平成24年12月27日から平成25年1月21日の日程で実施され、双方の研究機関が持ち出し設置した全てのOBEMとナイチンゲール島の観測装置を無事に回収した。航海終了後の約2年間は、それぞれの研究機関において、持ち帰ったOBEMの時系列データの一次処理およびマグネトテルリック法に基づく電磁気応答関数の推定を行った。地震研究所のOBEM8台については、データはいずれも良好で、約200秒から1日の周期帯で電磁気応答関数を推定することができた。このうちトリスタン・ダ・クーニャ島に近い観測点に設置したOBEM3台は観測期間中に測定間隔をタイマーで切替えより短周期の電磁場変動を観測できるようにしたため、周期約50秒まで電磁気応答関数を推定することができた。ドイツ側は、ポスドクの雇用計画に変更があり、データ解析が遅れた。このため4年間の期間中に構造解析にまで進むことはできなかったが、この間、馬場は北西太平洋下の電気伝導度構造について研究を進め、海洋上部マントルの温度および組成を電磁気応答関数から制約した。この結果は、参照モデルとして、トリスタン・ダ・クーニャ海域の議論にも応用できる。本研究については引き続きドイツ側と共同で研究を継続し、所期の目的を達成する予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
Geochem. Geophys. Geosyst.
巻: 15 ページ: 2895-2917
10.1002/2014GC005421