研究課題
前年度に引き続いて、フロリダ大学のロケット誘雷実験場でフロリダ大学の雷研究グループと共同で雷の最終雷撃過程について一年間の落雷観測実験を実施した。昨年度の観測実験では異常ロケット誘雷一例を含めて、20個以上のロケット誘雷と近距離の自然落雷8個の収得に成功した。これらの観測実験と並行して、一昨年度の観測データを解析し、以下の成果が得られた。1. 帰還雷撃の開始高度は帰還雷撃の電流ピーク値との間に指数関係があり、その関係式を実験で世界初めて求めることができた。2. 帰還雷撃はある開始高度で開始した後、上下双方向に進展し、自然雷の第一雷撃の下向き進展速度が通常の帰還雷撃速度より一桁低いことが分かった。3. 帰還雷撃の光信号波形と電流信号波形との間には立ち上がり部分でよい相関性が確認された。
2: おおむね順調に進展している
昨年度は期待した以上にロケット誘雷が成功しており、また、実験場内で自然落雷も発生したため、本研究で一番肝心としての観測データを多数収得できた。
引き続き、フロリダ大学のロケット誘雷実験場で雷観測実験を行う。今までの観測実験では帰還雷撃の観測に成功したが、帰還雷撃に至るまでの上向きリーダの観測にまだ成功していなかった。今年度は観測機器をより雷撃点の近くに移動し、上向きリーダの観測に力を入れる。
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Proceedings of 31th International Conference on Lightning Protection
巻: なし ページ: No.126, 6 pages