H23年度は、ロシア連邦ケープシュミット(CST:北緯68.93度、西経179.45度)に設置を予定している3成分フラックスゲート磁力計及びデータロガーの調達及び動作確認を行った。ケープシュミットには、ロシア連邦宇宙物理電波伝搬研究所極東支所(IKIR)の観測所があり、今回の研究課題に対する研究協力に関して既に内諾を得ている。ケープシュミットはアラスカ州キングサーモンに設置している短波レーダ(KSR)の視野内にあるため、この地点に磁力計のデータを用いることでKSRと磁力計ネットワークによるPc5の同時観測を行うことが可能となる。また、本観測点は申請者らの磁力計が設置されているパラツンカやマガダンの観測点よりも高緯度に位置し、経度が比較的近接していることから子午面の観測網が拡充されると共に、我々が京都大学及びロシアや米国と共同でリアルタイムAE指数の作成のために実施しているRapidMAGプロジェクトの観測点であるティキシー、ペベックとほぼ同緯度であることから経度方向の観測網も拡充される。今年度は研究開始時期及び配算予算の都合により、磁力計の購入・国内での動作確認のみを実施した。磁力計は性能や仕様を比較検討した結果、データロガーが一体となっている(有)テラテクニカのFRG-604RCを購入した。購入した磁力計については、研究室内で数日間運用を行い、機器が正常に動作することが確認できた。また、IKIRの窓口担当者と連絡を取り、来年度IKIRを訪問しての研究打合せの実施に向けた相談を行った。
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