H25年度は、昨年度に引き続き、平成23年10月以降に実施されている放射線帯探査機Van Allen Probes(VAP)と短波レーダ観測ネットワーク(SuperDARN)のとの共同観測キャンペーンを頻繁に実施し、衛星-地上同時観測データを取得した。これらの同時観測例の中で、Pc5地磁気脈動が顕著に観測されている例数例を選んで、HFレーダ、地磁気データ、Van Allen Probes衛星データを用いたイベント解析を行った。その結果、磁場変動と電場変動の間に良い対応関係が見られる例から電離層電気伝導度の推定を行い、他の観測等と整合性のある結果が得られたほか、電場変動のパターンに緯度方向、経度方向のドリフトが見られ、経度方向の波数の推定を行うことが出来た。11月には高知で開催された地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)及び中国昆明で開催されたアジアオセアニア宇宙天気連合(AOSWA)に参加し、イベント解析の結果について報告した。また、解析環境の整備としてデータ解析用ソフトウェアを新たに調達し、3月には、STE現象報告会にて、イベント解析の成果について報告を行った。
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